ロンドン市場では、方向感に欠ける取引が続いている。欧州株や米株先物・時間外取引は米大幅利下げ期待で買われているが、為替市場では目立った動きはみられていない。ドル円は140円台半ばを軸に小幅の上下動。ユーロドルは1.11台前半で上下動も足元では前日NY終値水準に収束している。ポンドドルも1.32付近から1.32台前半で同様の振幅。ユーロ円は売りが先行も156円台は維持されており、156円台後半に落ち着きどころを見出している。ポンド円も185円台前半から一時186円台を回復も、足元では185円台後半で揉み合っている。9月独ZEW景況感は3.6と、前回19.2や市場予想17.0を大きく下回った。独ZEWは「経済状況の早期改善への期待、目に見えて薄れつつある」とした。シムカス・リトアニア中銀総裁は「10月に利下げを行う可能性は極めて低い」と指摘。ただ、いずれにも市場は反応薄だった。

 NY市場では、ドル円が142円台まで上昇。8月の米小売売上高が予想外の増加となり、為替市場はこのところのドル売りが一服した。ドル円は前日に節目の140円を割り込んだが、それ以上の下値追いがなかったことで、明日のFOMCを前に直近の下げの調整が出ていたのかもしれない。明日のFOMCは見方が完全に二分しており、最近では珍しいくらいに不透明なイベントとなっている。今回は委員の金利見通し(ドット・プロット)も発表され、波乱の展開も警戒される中、ポジションを軽くしておきたい意向が強かったのかもしれない。ユーロドルは上値が重かったが1.11台は維持。ECBは10月理事会についてはオープンな姿勢を維持している。ドイツ経済を中心に景気の下振れリスクがある一方、インフレはなお高水準に留まっていることから、今年については10月は見送り、12月の利下げでコンセンサスが形成されているようだ。ポンドドルは1.32台から1.31台半ばまで一時下落。総じてドル買いが優勢だった。

(18日)
 東京市場では、ドル円が反落。昨日海外市場で米小売売上高の好結果をきっかけにドル買い円売りが強まり、140円台から142.40台まで上昇した。東京朝はほぼ高値圏でスタートしたが、その後はドル売り・円買いが優勢となった。今晩の米FOMCを前に、東京市場では大幅利下げ期待がドル売り・円買いにつながった。午後に入ると勢いは収まったものの、ドル売り円買いの流れ自体は継続。141.23近辺まで一時下落。その後は141.50前後まで戻した。クロス円も売りが優勢。ユーロ円は朝の158.30台から一時157.05近辺まで下げ、ポンド円は187.46近辺から一時185.83近辺まで下落。ドル円同様に下げ一服後は少し買戻しが入った。ユーロドルは1.11台前半での推移。ドル安の流れから1.1110台から買いが入ったものの、値幅は限定的。米FOMCは大幅利下げを期待する動きも、25bp利下げ期待もかなりしっかりと見られ、どちらに決まっても動きが予想されるだけに、神経質な動きだった。

 ロンドン市場では、ポンドが買われている。日本時間午後3時に発表された8月英消費者物価指数で前年比が+2.2%で前回から変わらず、コア前年比+3.6%やサービスCPI+5.6%などの伸びが加速したことに反応。明日の英中銀金融政策委員会での利下げ見送り観測が一段と高まっている。ポンドドルは1.31台半ばから1.32台乗せへと上昇。ポンド円は185円台後半から187円台前半へと反発し、東京市場での下げを戻している。対ユーロでもポンド買いが優勢。この後の米FOMCでは4年超ぶりの利下げ発表が完全に織り込まれており、英中銀への思惑との差が目立っている。ECBも直近の会合で利下げを実施しており、差異がみられる。ドル円は東京市場で142円台前半から141円台前半まで下落したあと、ロンドン市場ではいったん142円付近まで反発。しかし、足元では141円台後半から半ばへと再び上値が重くなっている。ユーロドルは1.11台前半で小高く推移した。