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欧州最大の家電見本市「IFA」、中国メーカーに注目集まる

 【新華社ベルリン9月20日】ドイツ・ベルリンでこのほど開かれた欧州最大の家電見本市「IFA」は、世界のコンシューマーエレクトロニクス・家電分野の重要な見本市で、業界の技術イノベーションの方向性を示すとみなされている。今年は世界から1800社余りが出展し、中でも中国勢は数が多く、規模が大きく、技術が新しく、出展物が生活の各分野にわたり、非常に注目を集めた。

 中国の家電メーカーは長年積み重ねてきた実力によって新しいニーズを敏感に察知し、技術イノベーションによって製品のスマート化と持続可能性を実現し、「中国智造」(中国のスマート製造)で中国ブランドの知名度を高め、欧州の家電市場で足場を固めている。

 海爾集団(ハイアール)の展示ブースでは来場者に対し、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などインターネットに接続できるスマート家電の没入体験を提供した。ハイアール・ヨーロッパのネイル・タンストール最高経営責任者(CEO)によると、家電業界はグローバル化の特徴を呈しており、中国企業はイノベーションと研究開発で独自の優位性を持ち、敏感にチャンスをつかみ、新しい技術を迅速に市場に送り出すことができるという。

 伝統的な家電分野にとどまらず、中国企業はロボット掃除機やプロジェクターなどの新興消費分野でも、創造力と技術優位性を見せている。

 スマートプロジェクターに注力するメーカー、極米科技(エクスジミー)の郭雪晴(かく・せつせい)副総裁は、欧州ではホームエンターテインメントの需要が増加の一途をたどり、中国製プロジェクターは画質と使いやすさの面で優位性を高めつつあると説明した。同社はイノベーション・研究開発への投資を続けており、主力製品のプロジェクターはドイツやフランス、スペインなどの市場でトップの地位を確立していると強調した。

 経済のグローバル化を背景に、ますます多くの中国企業が海外進出を果たし、現地化戦略や買収・投資を通じて国際市場に溶け込んでいる。

 美的集団の童博(どう・はく)国際ブランド・市場担当ディレクターは、10数年前は中国の家電企業の多くがOEM(相手先ブランドによる生産)によって欧州の消費者にサービスを提供していたが、今では自主ブランドを武器に欧州市場に進出するようになっていると明かした。

 欧州の消費者はブランドロイヤリティーが高いことから、ここ数年は多くの中国企業が現地の有名ブランドを買収することで市場シェアを拡大し、ブランドイメージを高めている。

 創維集団(スカイワース)の広報を担当する陶双華(とう・そうか)ブランド部部長によると、同社はドイツハイエンド家電メーカーのメッツを買収し、その欧州における研究開発や生産・販売ネットワークを活用することで、サプライチェーンのボトルネックを解消し、欧州市場の開拓を加速させている。

 現地化が進む中、中国企業も徐々に経験を積み重ねている。市場の需要を察知し、差別化された製品を開発する一方で、現地に合わせたマーケティングも展開し、例えばハイセンスはサッカー欧州選手権のスポンサーになり、美的集団が英国プロサッカークラブ、マンチェスター・シティーFCと提携するなど、試合や大会を通じてブランド影響力を高めている。

 取材に応じた中国・欧州企業の代表者らの間では、中国の家電企業が欧州市場進出を急ぎ、協力・競争を通じて業界のイノベーション・変革を促進しているとの見方が一般的になっている。中国企業は欧州に多くの研究開発センターと工場を設け、現地のサプライチェーンを整備し、現地の雇用も効果的に促進している。