◆離婚を切り出すも、「親権をよこせ」と…
玲央さんは限界に達し、ついに9年間、積もり積もったうっぷんをぶつけたのです。「悪いけど、母親失格だよ。お前がいると治るものも治らないよ。里奈から距離を置いてくれ!」と。
そうすると妻は「離婚するのは結構よ。あなたは私の邪魔でしかしないんだから。でも、あなたの言いなりにはならないわ!里奈は私が引き取って育てるんだから」と言い張るのです。
娘さんを夏休みの間だけスイミングスクールに通わせていたのですが、筆者は前もって「このエピソードを使いましょう」とアドバイスしておきました。妻は娘さんを決まった時間にプールへ送り届けることができず、受付の女性に「初回からこんなじゃ困りますよ!」と注意されたのです。プライドが高い妻は「もう来ない!」と逆ギレ。娘さんを連れて帰宅してしまったのです。
そこで玲央さんがスクールに平謝りをし、今後は妻ではなく玲央さんが送迎することで事なきを得たのですが、もし妻が親権を持ち、再度送迎をするのなら、受付やコーチを仲直りしなければなりません。
筆者は「それは無理でしょう。スイミングをしたい娘さんより、謝りたくない自分の方がかわいいのだから」と指摘しました。そのことを踏まえた上で玲央さんは「今後も通い続けるなら、保護者会や大会もあるんだよ。そのたびに日が潰れたり、休みを取らなければならないけど、それで本当にいいの?」と念押しをしたのです。
◆娘が宿題に追われるなか、夏休みを満喫
妻は夏休み中、娘さんとスイミング以外でどのように接していたのでしょうか? 小学生にとって最大の難敵は宿題です。実際のところ、妻が夏休みの宿題に触れることはなく、玲央さんに丸投げ状態。玲央さんはすべての休日を使い、娘さんが宿題を終えるまで、付きっ切りで見てあげたのですが、妻はどうでしょうか?
高校時代の旧友と旅行に行ったりして満喫していたのです。それなのに妻は「私にだってできる」と軽々しく言ってきたのですが、玲央さんは「お前にできるのか。しかも夏休みの宿題は毎年、増えるんだぞ! 旅行なんて行けなくなるけど」と一喝したのです。
◆無職時代に家事や育児に専念していたからこそ…
そもそも娘さんがずっと元気とは限りません。もともと娘さんは生まれつき鼻が悪く、毎年のように夏風邪をこじらせていましたが、いつも看病するのは玲央さんです。その年の夏は娘さんが治る前に、玲央さんが風邪をうつされてしまい、玲央さんは高熱にうなされながら、娘さんが嘔吐した食べ物を片付けるなど大変な思いをしました。
一方の妻は「風邪をうつされるくらいなら何もしたくない」と我関せずという態度でした。実際のところ、妻の実家は遠く、頼れる親戚は近くにいません。妻は子どものために自分を犠牲にするという気持ちがありません。そのため、玲央さんは「里奈が風邪を引いたら、どんなにつらくても、自分で看病をするんだぞ。本当にできるのか?」と投げかけたのです。
ところで玲央さんは過去にリストラの憂き目に遭い、一時的に職を失っていた時期があったそう。仕事が見つかるまでの間、玲央さんが家事や育児のすべてをやっており、その名残で今でも玲央さんが大半を担っています。こうして娘さんは妻より玲央さんと接している時間の方が長く、妻より玲央さんに懐いていました。
そのため、妻は娘さんに相手にされず、女親なのに子どもとの間に距離を感じていました。そのうち、週末は妻が留守番をし、玲央さんと子どもが遊びに行くように。そのため、不貞腐れた妻は転職する際、土日出勤の会社を選んだので、ますます家庭内で孤立していった経緯があります。
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