[画像] 現場に花束「中国人として非難」 深圳、日本人学校児童が襲われ死亡

 中国南部・広東省深圳市の深圳日本人学校に通う10歳の男児が襲われた事件で、男児が死亡したことが伝えられた19日、現場となった学校周辺では男児の死を悼む声が聞かれた。

深圳日本人学校の男児が男に襲われて死亡した事件で、現場に花を持ってきた地元の男性=2024年9月19日、中国・広東省深圳市、余苗苗撮影

 学校から現場に通じる歩道には同日午前、花束が置かれていた。同校のあるエリアは教育施設やマンションが並び、朝晩の人通りが多い。だが、この日は同校が休校になり、子どもたちの姿はまばらだった。

 近くのマンションに住む女性(34)は事件の50分後に現場を通りかかった。「警察官がたくさんいて交通事故だと思っていたので、とても悲しいです」

■歴史は忘れない「だが……」

 日本語を学び、子どもを日本人幼稚園に通わせている。事件については保護者間のグループチャットで知った。幼稚園は休園していないが、日本人の子どもの多くは休んでいるといい、「今まで地域でこのような事件はなかったので怖いです」。

 地元の男性(54)は花束を持って現場を訪れた。事件の起きた18日が満州事変の発端になった柳条湖事件の日であることが気になったという。この日は中国では「国恥の日」とも呼ばれ、反日感情が高まるとされる。男性は「私たちは歴史を忘れてはいけない。だが、(被疑者の)男のしたことは犯罪行為だ。私は中国人として非難する」と話した。

 ネットで事件について知った地元の男性(30)は6月に江蘇省蘇州市で起きた事件に続き、日本人が被害にあったことに憤りを感じた。「深圳は開放的な都市で、普通の人はこのような事件が起こるべきでないと考えている」と語り、校門の前に花を手向けた。

 在広州日本総領事館によると、同校は今週末まで休校し、警備の強化と児童・保護者のケアにあたるという。(深圳=小早川遥平)