◆私はあなたのママじゃない
こういうとき、「男はお子ちゃまだから褒めてあげなきゃ」と思える女性なら、夫は浮気に走らないのかもしれない。だが多くの女性たちは、夫を「大人のパートナー」だと思っているのだ。
しかもマイさんは、夫のことを思ってジムを勧めた。そして夫は自分なりの趣味を見つけた。それでじゅうぶんではないのだろうか。
「行けば行ったで、そこでの成果を褒めてほしいんでしょうね。私はあなたのママじゃない。
もちろん何か競技大会などがあるなら応援に行くのはやぶさかではないけれど、ジムから帰ってくるたびに、あらステキな筋肉ね、なんて言えますか。そんなヒマじゃないわよって怒鳴りつけてしまいました」
浮気を続けるならどうぞ、離婚したいならしてもいいという気持ちだった。夫はそんなマイさんの気迫におびえたような表情を見せたという。
その後、夫はどうやらキン肉マンになるのをあきらめ、フットサルのチームに入ったらしい。彼女との関係がどうなったのかはわからないが、マイさんが携帯を調べたところでは女性とのメッセージのやりとりはなくなっていたという。
「今のところは私も平静を装って日常生活を送っていますが、心の底では夫への信頼感が薄れました。あとのことは子どもたちが大きくなってから考えようと思っています」
<文/亀山早苗>
【亀山早苗】
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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