北海道は、観光スポットとして不動の人気を誇っています。そんな北海道では、公共交通機関よりも自動車の方が移動手段の主流となっています。広大な景色の中を走り抜ける爽快さが魅力の一つですが、北海道ならではのアクシデントも少なくありません。楽しいはずの北海道旅行が台無しになった実際のケースを紹介します。
◆北海道ドライブデビュー
都内で公務員をしている吉川さん(仮名・40歳)は、妻と小学3年生の娘と夏休みに1週間ほどの北海道旅行へ出かけました。
「娘は初めての北海道をとても楽しみにしていて、夏休みが始まる前から早く北海道に行きたいとずっと言っていました。私と妻はお互いに何度か行ったことがありましたが、初めての家族旅行ということもあって、入念にいろいろなプランを練っていました。前回はバスツアーに参加したのですが、今回は全工程レンタカーを借りることにしました」
北海道の新千歳空港に到着した吉川さん一家。その日は札幌で一泊し、次の日の朝一番にホテルを出発して、旭川にある動物園へ向かうことにしました。
「私は普段から車を運転する機会が多いのですが、都内の渋滞道路とは規模も勝手も異なる雄大な北海道の道は初めてで、しかも景色がとても美しく、気がつけばノロノロ運転になっていました」
◆後方から猛スピードの車が現れる
しばらく走っていると、後方からかなりのスピードで乗用車が追いついてきました。吉川さんも、バックミラー越しのパッシングライトの点灯で気づいたそうです。
「一本の道が果てしなく続く山道で、後方には車の影もなかったのに、気がつけばミラー越しに車が見えたんです。私もなんとか車間距離を取ろうとスピードを上げたのですが、ピッタリとついてきました。いわゆる、あおり運転ですよね」
しばらくするとしびれを切らしたのか、後ろの車は追い越し禁止車線にもかかわらず、慣れた様子で吉川さんの車を追い越していきました。
「一瞬ホッとしたのもつかの間、今度は前方で急減速したり、蛇行を繰り返す始末です。恐怖を感じた妻からいったん止まるべきだと提案されましたが、路肩も狭く、ただ森が続く道なので逃げ場がありませんでした。とにかく事故にならないように注意を払い、早く安全な場所に出ることを願ってひたすら耐えました」
◆あおり運転の車に降りかかった天罰
恐怖に怯えながらあおり運転の後方を仕方なく走っていた吉川さんですが、10分くらいした後に、前方の車は何もなかったかのように、今度は猛スピードで走り去って行きました。
「ほんとうに、冷や汗ものでした。娘も妻も怯えた様子で、もう少しこの状態が続いたら警察に通報するつもりでスマホを握りしめていました」
ところが、その数分後、はるか前方で砂煙が上がりました。どうやら、前方のあおり運転車が急ブレーキをかけて停止したようでした。
「一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、そうこうしているうちにそのあおり運転車に追いつき、そのままゆっくり抜き去ろうとしたとき、その車の前には血を流して倒れている大きな鹿がいました。車の前方は凹み、フロントガラスにはヒビが入り、とても走行できるような状態ではありませんでした。鹿は死んでいるのか全く動かず、悲惨な光景でした。ただ、不謹慎ですが、内心『ざまあみろ!』と思いましたね」
吉川さんは、少し前方に車を停車させ、「何か手伝うことはありますか?」と聞いたそうですが、運転手は「大丈夫です」と一言だけ言って一人で事故処理を行っていたようです。
◆悲惨な光景がトラウマに
吉川さんは少し心配でしたが、しょせんあおりを受けた相手だったので、これ以上加担する意味はないと考え、予定通り目的地まで車を走らせたそうです。
◆北海道ドライブデビュー
都内で公務員をしている吉川さん(仮名・40歳)は、妻と小学3年生の娘と夏休みに1週間ほどの北海道旅行へ出かけました。
「娘は初めての北海道をとても楽しみにしていて、夏休みが始まる前から早く北海道に行きたいとずっと言っていました。私と妻はお互いに何度か行ったことがありましたが、初めての家族旅行ということもあって、入念にいろいろなプランを練っていました。前回はバスツアーに参加したのですが、今回は全工程レンタカーを借りることにしました」
北海道の新千歳空港に到着した吉川さん一家。その日は札幌で一泊し、次の日の朝一番にホテルを出発して、旭川にある動物園へ向かうことにしました。
「私は普段から車を運転する機会が多いのですが、都内の渋滞道路とは規模も勝手も異なる雄大な北海道の道は初めてで、しかも景色がとても美しく、気がつけばノロノロ運転になっていました」
◆後方から猛スピードの車が現れる
しばらく走っていると、後方からかなりのスピードで乗用車が追いついてきました。吉川さんも、バックミラー越しのパッシングライトの点灯で気づいたそうです。
「一本の道が果てしなく続く山道で、後方には車の影もなかったのに、気がつけばミラー越しに車が見えたんです。私もなんとか車間距離を取ろうとスピードを上げたのですが、ピッタリとついてきました。いわゆる、あおり運転ですよね」
しばらくするとしびれを切らしたのか、後ろの車は追い越し禁止車線にもかかわらず、慣れた様子で吉川さんの車を追い越していきました。
「一瞬ホッとしたのもつかの間、今度は前方で急減速したり、蛇行を繰り返す始末です。恐怖を感じた妻からいったん止まるべきだと提案されましたが、路肩も狭く、ただ森が続く道なので逃げ場がありませんでした。とにかく事故にならないように注意を払い、早く安全な場所に出ることを願ってひたすら耐えました」
◆あおり運転の車に降りかかった天罰
恐怖に怯えながらあおり運転の後方を仕方なく走っていた吉川さんですが、10分くらいした後に、前方の車は何もなかったかのように、今度は猛スピードで走り去って行きました。
「ほんとうに、冷や汗ものでした。娘も妻も怯えた様子で、もう少しこの状態が続いたら警察に通報するつもりでスマホを握りしめていました」
ところが、その数分後、はるか前方で砂煙が上がりました。どうやら、前方のあおり運転車が急ブレーキをかけて停止したようでした。
「一瞬何が起こったのかわかりませんでしたが、そうこうしているうちにそのあおり運転車に追いつき、そのままゆっくり抜き去ろうとしたとき、その車の前には血を流して倒れている大きな鹿がいました。車の前方は凹み、フロントガラスにはヒビが入り、とても走行できるような状態ではありませんでした。鹿は死んでいるのか全く動かず、悲惨な光景でした。ただ、不謹慎ですが、内心『ざまあみろ!』と思いましたね」
吉川さんは、少し前方に車を停車させ、「何か手伝うことはありますか?」と聞いたそうですが、運転手は「大丈夫です」と一言だけ言って一人で事故処理を行っていたようです。
◆悲惨な光景がトラウマに
吉川さんは少し心配でしたが、しょせんあおりを受けた相手だったので、これ以上加担する意味はないと考え、予定通り目的地まで車を走らせたそうです。
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