人気配信者のライブはだいたいスクショされ、配信が切り抜かれ、さまざまなサイトに無断転載される可能性が高い。というより、切り抜き画像や無断の録画が流されるのを前提とした方がいいくらい、あちこちに貼られてしまう。これが世界発信の怖さと言えよう。

◆“世界規模のデジダルタトゥー”になる恐れ

 特にX(旧Twitter)にはオトナ向け画像アカウントが無数に作られ、日夜スケベコンテンツを無断転載している。なぜBANされないか謎だが、そこに転載されたらもう最後。バズっても止めようがない。

 ビデオもファンクラブも立派なデジタルタトゥーだが、世界規模になるとまた話も違ってくる。無修正配信だとお縄のリスクも上がるため、気軽に手を染めるべきコンテンツではないことは確かだ。

◆それでも海外向けライブチャットを選ぶ理由は?

 リスクが高いのになぜライブ配信を選ぶのか。その理由は、主に以下のようなことが挙げられる。

・ルールや縛りが面倒だから、もう夜のお店で働きたくない
・スマホやPCがあれば自宅で簡単に配信ができるから
・お店勤務、ファンクラブ、ビデオ出演など全部に手を付けてしまったから
・稼げる金額が青天井
・肩書きがある(元セクシー女優など)ので稼げる自信がある
・客とはバーチャルでの関わりなので、触られるなどの心配がない

 水商売のルールなど一般企業に比べればかなりユルいものの、それさえ受け入れられなくなるほど精神的に追い詰められた人もいる。そういったルールや人間関係から解放されたい人にとって、自宅で配信できるメリットは大きいだろう。

 また、あちこち行き尽くして「もうこれしか術がない」なんて声もあった。ライブチャットのリアルタイムなやりとりは対面接客とも、映像の中の人とも勝手が違うから、後がない人々の“最後の砦”のような存在にもなり得るのだろう。

◆危険性を考えたうえで冷静な判断を

 そんなこんなで瞬く間に海外配信ブームは広がり、手を染める女性が後を絶たない。実際にめちゃくちゃ稼ぐ人たちも多いので、絶対に「やるな!」とは言えないけれど……。

 この世にラクな商売なんてない、そして高収入ゆえにリスクが高い。この2つだけは、常に頭の片隅に置いてほしいと思う。

 高収入のアンダーグラウンドな仕事は、今後も形を変えてさらに広がり続けるだろう。紹介者は都合の良いことしか言わないからこそ、自分自身が冷静な目を持って判断を下すのが重要なのだ。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。