コンビニのヒット商品にアレンジを加え、おいしいメニュー作りにチャレンジするこの企画。今回はセブン‐イレブンで人気の、ホットでヘルシーな韓国料理「なめらか豆腐のスンドゥブチゲ」をチョイス。日本でもおなじみの豆腐をメインとしたスープがどう生まれ変わるのか。
●1品目:玉子炒飯入りスンデゥブチゲ
1品目は韓国料理×中華料理という、日本の食文化に強く影響を与える二つの国の代表料理を合体。玉子炒飯のおにぎりを温めずに、スンドゥブチゲにドボンと漬け込み、スープになじませながらバラバラにほぐしていただくことに。見た目はなかなか悪くないが、さてお味は。
スプーンで玉子炒飯、豆腐、スープをすくっていただいてみると「おー、これ想像よりかなりマシソヨ!」。スープの味が濃く、炒飯の風味が完全に消されることも想定していたけど、いい意味でそれは裏切られ、炒飯の香ばしさや甘みをしっかり感じることができる。
そこにスンドゥブチゲのスパイシーさ、豆腐の食感が加わり、「こいつはなかなかエクセレント!」、と興奮して食べ進めていると「アレレ」、いつの間にかチゲの味が強くなり始め、次第に炒飯がただの米粒になるという、最初に恐れていた事態が。いいバランスのマリアージュは半分くらいで消えてしまう、ちょいと残念な結果。
総評
手軽さ ★★★★★
一体感 ★★★★☆
美味さ ★★★☆☆
斬新さ ★★★★☆
合計点 16ポイント
炒飯は特にチンしなくてもOKという手軽さと、米とスープがナイスマッチングということで高得点が期待されたが、肝心の炒飯の味わいが途中で消えてしまうのが減点対象。斬新さが及第点だったことで、合計点は崩れなかった。
●2品目:つけ麺風 塩焼きそばチゲスープ
お次は日本の屋台料理との共演。ということで、夏になると無性に食べたくなる「塩焼きそば」をセレクト。チゲと焼きそば両方をチンして、焼きそばの上に適量のスンデゥブチゲをかけると完成。
しかし焼きそばの容器が思っていたより薄く、チゲの真っ赤なスープが溢れそうになるという問題。そこで閃いたのが、チゲの容器に焼きそばをつけていただく「つけ麺スタイル」。さて肝心のお味は。
塩焼きそばを箸でつかんでドボンとスープにつけると、麺が真っ赤にコーティングされ、これはこれでかなり美味そう。ではズババっと啜ってみると、「こ、こいつは、超絶マシソヨですヨ!」。
まずスンデゥブチゲの深みある味わいと刺激が口いっぱいに広がり、次第に塩焼きそばとネギの香ばしい味へと移り変わる。食べ進めても、焼きそばのモチモチとした食感が消えることがなく、チゲに入っている豆腐や豚肉がアクセントにもなってずっと美味いし楽しい。いつまでもピリ辛が続き、ホットな気分で焼きそばを食べられるのも新鮮で、これ完全にありです。というか、セット販売したら売れる。
総評
手軽さ ★★★★☆
一体感 ★★★★★
美味さ ★★★★★
斬新さ ★★★★★
合計点 19ポイント
出ました。この夏一番の高得点。焼きそばをチンする手間によって星が一つ減ってしまっただけで、他は完全に満点です。おそらく焼きそばの上にチゲをぶっかけていたら、こんなに点数は伸びなかったかも。このスンデゥブチゲつけ麺、個人的に大流行間違いなし。
●3品目:スンデゥブスープの海老グラタン
中華、日本とくれば洋食。ということで、最後はロングセラーメニューである「海老グラタン」をチョイス。最近は韓国料理にチーズを合わせるのもブームだし、きっとチゲとグラタンも相性がいいはず。調理は塩焼きそば同様、両方チンして、グラタンにスンデゥブチゲをかければ完成。溢れ出しの防止としてグラタンの真ん中を少しくり抜き、スンデゥブチゲをかけていく。すると見た目が、何というか、あまり美しくないビジュアル。しかし、味が良ければ何でもOK。
スプーンにグラタン、豆腐、スープを載せて、一気にいただいてみると、「うーん、何でしょう? この感じ」。味は別に悪くないんだけど、スパイシーでクリーミーな豆腐を食べている感じ。さらに食べ進めようとすると、「おおーい!」、グラタンが熱いスープにどんどん溶けて、「ピンク色の変なドロドロになってますがなー!」。これは完全に筆者の学習不足。グラタンに熱い液体を入れるとホワイトソースが溶けて液体化するみたい。
でも、味が良ければ何でもOK。と、さっきと同じセリフを繰り返してズズズっといただくと、「うえ〜」、何か辛くてバターの香りがする飲み物になっていて味も変。もちろんなんとか完食したが、これは完全に大失敗。絶対に真似しないで。
総評
手軽さ ★★★★☆
一体感 ★☆☆☆☆
美味さ ★☆☆☆☆
斬新さ ★★★★☆
合計点 10ポイント
このチャレンジは、本当に反省でしかない。おいしくいただくことを目標にしているのに、こんな結果。チーズがいけるならグラタンもいける、と想像したのが間違い。ただ、別々にいただくと両方とも本当にクオリティーの高い、おいしい商品だ。
●失敗がないように精進
さて、この夏最高得点を出した後に、最低得点も出しへこみにへこんだ今回のチャレンジ。味が喧嘩してしまうなどの問題は仕方がないとして、今後はこういう無知による失敗がないように精進したい。(エフェクト・山葉のぶゆき)