2023−24シーズン限りでレスターからの退団が発表されていたイングランド人MFマーク・オルブライトンが29日、自身の公式Instagram(@marcalbrighton.11)を通して、現役引退を発表した。

 オルブライトンは1989年11月18日生まれの現在34歳。アストン・ヴィラのユースで生まれ育ち、2009年2月に行われたUEFAカップ(現:ヨーロッパリーグ)のCSKAモスクワ戦でトップチームデビューを飾った。2010−11シーズンから出場機会を増やし、ケガに悩まされる時間も少なくはなかったものの、公式戦102試合出場9ゴール19アシストを記録。在籍期間内にはウィガンへの短期レンタルも経験しながら、2014年夏に契約満了を迎え、フリートランスファーでレスターへ加入した。

 レスターでは加入初年度の終盤戦から定位置を掴むと、2年目には左サイドのアタッカーとして主力に君臨。プレミアリーグ全38試合のピッチに立って2ゴール7アシストを記録し、元イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディ、フランス代表MFエンゴロ・カンテ(現:アル・イテハド)、アルジェリア代表MFリヤド・マフレズ(現:アル・アハリ・サウジ)、元日本代表FW岡崎慎司、元イングランド代表MFダニー・ドリンクウォーターらとともに、クラブ史上初のプレミアリーグ優勝に大きく貢献した。

 “ミラクル・レスター”の一員だった多くの主力がクラブを離れた後も、ヴァーディらとともにレスターを支えたものの、負傷の影響もあって時間の経過とともに出場機会が減少。2020−21シーズンはFAカップ優勝に貢献したが、2022−23シーズン後半戦はウェスト・ブロムウィッチへレンタル移籍に出た。レスターに復帰して迎えた昨季も、公式戦18試合のピッチに立ったものの、チャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)でのスタメン出場は0。レスターは1年でのプレミアリーグ復帰を決めたが、同シーズン限りでクラブとの契約が満了を迎えたことにより、かつての“栄光”を知る選手がまた1人退団していた。レスターには10年間在籍し、公式戦通算313試合出場19ゴール48アシストを記録した。

 2024−25シーズンが開幕してもチームに所属していないなか、オルブライトンは29日付で自身の公式Instagramを更新。アストン・ヴィラ、そしてレスターでのキャリアを振り返る画像とともに、次のような言葉を綴り、現役引退を表明した。

「サッカー選手であるならば、いつの日かスパイクを脱ぐ日がやってくる。自分にとってのその時が来たら、どんな気持ちになるのかをずっと考えていた。その日がやってきた今、僕の気持ちは非常に明確だ。感謝と安らぎで満たされているんだ」

「少年の頃に初めてボールを蹴った日、僕の夢は常にアストン・ヴィラの選手としてプレーすることだった。この夢が叶ったならば、それだけで十分だと思っていた。ただし、現実はもっと多くを求めてしまう。少年時代に憧れたクラブで、100試合以上プレーできたことは、永遠に忘れることのない誇りだ」

「レスターで過ごしたこの10年間は、正直に言って夢にも思わなかったような特別な瞬間ばかりだった。プレミアリーグのトロフィーを掲げ、チャンピオンズリーグでプレーするだけではなく、得点も決めることができた。僕にとって特別な、唯一のクラブとなり、信じられないことを共に成し遂げた人々と永遠の絆を結ぶことができた」

「この旅路を支えてくれたすべての人、つまりスタッフ、監督、コーチ陣、オーナー、代理人、そしてチームメイトに心から感謝したい。君たちなしでは、何1つ成し遂げることはできなかったのだから。同時に、アストン・ヴィラとレスターの皆さんが与えてくれた揺らぎないサポートを忘れることもないだろう。君たちの情熱と献身が、ピッチでの一瞬一瞬をより特別なものにしてくれた。ヴィラでは、僕を自分たちの仲間として受け入れてくれたし、レスターでは、不可能を可能にする雰囲気を作ってくれた。最後まで僕の味方でいてくれてありがとう。2つの特別なクラブでの時間を、忘れられないものとしてくれた」