「今のところまだ大丈夫です。でも、少し太って200キロを超えると、お尻に手を伸ばした時に『あ、なんか遠いな』とは感じますね(笑)」

一般人には感じられない「お尻が遠い」という感覚は、やはり体重200キロの大台のなせる技のようだ。

◆食べ放題に行ったらテーブルに腹が圧迫され…

たくさん食べる人にとって、ガッツリ系の食事や食べ放題の店は、ありがたい存在のように思える。しかし、飛び抜けて太ってしまうと、もろ手をあげて「ありがたい!」とも言いにくいのだという。

「鳥貴族が、食べ飲み放題を安くでやってますよね。いいなと思って行ってみたんですが、椅子とテーブルが固定されてるんですよね。そうなると、たくさん食べてたくさん飲みたいのに、座った瞬間にテーブルでお腹が圧迫されて、開始前から苦しいんですよ(笑)」

さらに、ガッツリ系の代名詞とも言える二郎系ラーメン店も、同様の状況になってしまうとカクコ氏。

「カウンターの椅子が固定されているところが結構多くて、窮屈なので行く気持ちになれないんですよ……」

◆着替えのシャツは3〜4枚持ち歩く

長時間の外出になると荷物が増えるそうだ。

「仕方ないんですが、この見た目からして臭いと思われてしまうんですよ(笑)。なので、ボディーシートやスプレーも常に持ち歩いています。それに、汗はよくかくので、着替えのシャツは夏になるとカバンに3〜4枚入れて出かけますね」

1日の外出で大量のシャツを持ち歩くのはかなり面倒で大変だろう。さらに泊まりともなると、我々が聞いたこともない音を耳にすることも。

「カプセルホテルに泊まることもあるんですが、流石に上の段は頼まないようにしています(笑)。でも、古いカプセルホテルに泊まった時、下の段でも入った瞬間にカプセル全体から『バシッ!バシッ!』って変な音が聞こえてきて焦りました(笑)」

◆自分が「何キロだかわからない」

ここまで常軌を逸した体験をするほどの巨体を持つとなると、気になるのは健康診断の結果だが……。

「血糖値の高さを示す『HbA1c』という数値がやや高いんですが、それ以外は問題ないんです。去年の人間ドッグで、お医者さんに『悪いところはないんですが、ただただ太り過ぎです』って言われました(笑)」

単なる見た目の感想のようにも思えるが……。普段の生活で気をつけていることはあるのだろうか。

「家庭用の体重計で、一番重い重量まで測れるのが200キロまでのものなんです。流石に、自分の体重は把握しておかないとまずいと思うんですが、今は正直超えちゃってて。8月頭に体重を測って以来、自分が、何キロだかわからないです(笑)」

◆夢は「日本中の米を食べつくすこと」

現在では“おデブモデル”としても活動するカクコ氏に、最後に将来の野望を聞いてみた。

「モデルとしてのお仕事も少しづついただけるようになってきて、社会にも承認されていることを感じられるようになりました。今後は、もっと知名度を上げていきたいですね。あとは、とにかく白いご飯が好きなので、日本のお米を全品種を食べ尽くしたいです。全部で200〜250品種ぐらいあるうち、現状では65品種ぐらい食べています」

自身の体型について終始明るく語っていたカクコ氏。現在でも膨張し続けているのは驚きではあるものの、人よりも成長期が長かったと思えばなんてことはない。同じく規格外の人たちに勇気を与える存在として、末永く元気に活動してほしいものだ。

<取材・文/Mr.tsubaking>

【Mr.tsubaking】
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。