―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
◆価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?
腕時計投資家の斉藤由貴生です。私が免許を取ったのは今から20年前でありますが、免許を取ってから何年かの間、「腕時計投資」のようなことをクルマでもできるのではないか、と実験したことがあります。
高級腕時計は「買って⇒使って⇒高く売る」ということが可能であるわけですが、クルマでもそれと同じことができると思ったのです。
しかしながら、その結論は「クルマ投資は不可能」でありました。というのも、クルマは腕時計のように「上がったり下がったり」という値動きがなく、基本「下がり続ける一方」だからであります。
とはいえ、昨今では「以前では考えられないほど値上がりした」といった車種が多数出現。例えば、空冷ポルシェなどはその代表格だといえます。
また、私は今から19年前にホンダNSX(NA1)を所有していたのですが、こちらも空冷ポルシェに負けないぐらいの値上がりとなっています。ということで今回は、元NSXオーナーの私が、「価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?」ということを考えてみたいと思います。
◆2005年のNSX価格
私は、2005年にNSXを中古で購入したのですが、その際の価格(総額)は約330万円でした。買った車両の条件は『1992年式、約6万キロ、修復歴なし、AT、色:カイザーシルバー』であります。
では、現在同じ条件のNSXを買おうと思ったら、いくらかなのかというと、最も安価な車両が858万円、次が1004万円であります(色指定なしの同条件)。
2005年時点において、330万円で購入できたNSXは、今や858万円以上という状態。つまり私は、現在価格に対して520万円以上も安く買ったことになるわけです。
腕時計の場合、この520万円という過去価格との差額が「ほぼリターンとなる」可能性があるわけですが、クルマの場合はどうなるでしょう。
ということで今回は、安かった時期に購入したクルマを長期間乗り続けていたならば、金銭的に、どういった「得」がもたらされるか、ということを考えてみたいと思います。結論から先に申し上げると、私がNSXに乗り続けていたとしても金銭的な「儲け」はなかったという結果となりました。
◆使って楽しむことを前提とした場合
私は、クルマも腕時計も「使いたい」という気持ちがあるわけですが、特にクルマの場合、使わないと痛むため、「日常的に使用する」ということが重要だと思います。
私の年間走行距離は、ざっと2万キロ程度と、都内に住んでいる人間としては、かなり多めだといえます。ただ、NSXを持ち続けていたとしても、NSXだけに乗るわけではないため、NSXの想定年間走行距離は1万キロ程度だといえます。
私は、2005年に約6万キロでNSXを購入したわけですが、それから今に至るまで19年乗り続けていたならば、その個体は今頃約25万キロに達していることになります。
冒頭では、2005年に私が買ったのと“同じ条件”で現在のNSX相場を見たわけですが、19年乗ったならばその距離は約25万キロ。6万キロと25万キロのNSXでは価値が全く異なります。
ただ、それでもNSXの価値は2005年と2024年現在とでは、大きく異なるため、走行距離が25万キロといってもそれなりの価値があるといえます。
私が調査した買取価格(業者オークション取引相場)では、25万キロ程度のNSX(AT)は350万円〜450万円といったところ。
仮に高いほうの「450万円」を例とした場合、ざっくり100万円高く売れるということになります。
しかしながら、100万円という額では、クルマの維持費を考えた場合「余裕」があまりありません。
◆価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?
腕時計投資家の斉藤由貴生です。私が免許を取ったのは今から20年前でありますが、免許を取ってから何年かの間、「腕時計投資」のようなことをクルマでもできるのではないか、と実験したことがあります。
高級腕時計は「買って⇒使って⇒高く売る」ということが可能であるわけですが、クルマでもそれと同じことができると思ったのです。
しかしながら、その結論は「クルマ投資は不可能」でありました。というのも、クルマは腕時計のように「上がったり下がったり」という値動きがなく、基本「下がり続ける一方」だからであります。
とはいえ、昨今では「以前では考えられないほど値上がりした」といった車種が多数出現。例えば、空冷ポルシェなどはその代表格だといえます。
また、私は今から19年前にホンダNSX(NA1)を所有していたのですが、こちらも空冷ポルシェに負けないぐらいの値上がりとなっています。ということで今回は、元NSXオーナーの私が、「価値が上がる車に長年乗り続けたらどうなるか?」ということを考えてみたいと思います。
◆2005年のNSX価格
私は、2005年にNSXを中古で購入したのですが、その際の価格(総額)は約330万円でした。買った車両の条件は『1992年式、約6万キロ、修復歴なし、AT、色:カイザーシルバー』であります。
では、現在同じ条件のNSXを買おうと思ったら、いくらかなのかというと、最も安価な車両が858万円、次が1004万円であります(色指定なしの同条件)。
2005年時点において、330万円で購入できたNSXは、今や858万円以上という状態。つまり私は、現在価格に対して520万円以上も安く買ったことになるわけです。
腕時計の場合、この520万円という過去価格との差額が「ほぼリターンとなる」可能性があるわけですが、クルマの場合はどうなるでしょう。
ということで今回は、安かった時期に購入したクルマを長期間乗り続けていたならば、金銭的に、どういった「得」がもたらされるか、ということを考えてみたいと思います。結論から先に申し上げると、私がNSXに乗り続けていたとしても金銭的な「儲け」はなかったという結果となりました。
◆使って楽しむことを前提とした場合
私は、クルマも腕時計も「使いたい」という気持ちがあるわけですが、特にクルマの場合、使わないと痛むため、「日常的に使用する」ということが重要だと思います。
私の年間走行距離は、ざっと2万キロ程度と、都内に住んでいる人間としては、かなり多めだといえます。ただ、NSXを持ち続けていたとしても、NSXだけに乗るわけではないため、NSXの想定年間走行距離は1万キロ程度だといえます。
私は、2005年に約6万キロでNSXを購入したわけですが、それから今に至るまで19年乗り続けていたならば、その個体は今頃約25万キロに達していることになります。
冒頭では、2005年に私が買ったのと“同じ条件”で現在のNSX相場を見たわけですが、19年乗ったならばその距離は約25万キロ。6万キロと25万キロのNSXでは価値が全く異なります。
ただ、それでもNSXの価値は2005年と2024年現在とでは、大きく異なるため、走行距離が25万キロといってもそれなりの価値があるといえます。
私が調査した買取価格(業者オークション取引相場)では、25万キロ程度のNSX(AT)は350万円〜450万円といったところ。
仮に高いほうの「450万円」を例とした場合、ざっくり100万円高く売れるということになります。
しかしながら、100万円という額では、クルマの維持費を考えた場合「余裕」があまりありません。
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