スタバが圧倒的に独走できない理由は他にもあります。

 それは、スタバのイギリスにおける税金逃れスキャンダル(※)と、イギリス創業の大手チェーンがコスタ以外にもあり、確かな存在感を発揮しているから。

 例えば、「Caffè Nero(カフェネロ)」。エスプレッソにこだわったイタリアスタイルのカフェチェーンであり、スタバよりも大人の雰囲気が漂います。そしてもう一つは「Pret a Manger(プレタ・マンジェ)」。サンドイッチを主力とするファストフードチェーンで、コーヒーのサブスクリプションサービス(1か月あたり30ポンド(6000円前後)でコーヒー商品やココアなどが何杯でも購入可能)を実施しています。

 以上いかがでしたか? イギリスにおいてスタバが今後躍進する決め手は、イギリス国民に信頼されること、そして強みや個性をどのように発揮できるか? という点にあるでしょう。今後も注目していきたいと思います。

※スタバは1998年からイギリスでの事業展開をスタート。当初からの14年間にわたり意図的に損失を計上、イギリスにおいて法人税をほとんど納めていないことが2012年に報じられ、大きなバッシングを受けた。イギリス国内ではボイコット運動まで発展。

<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12