BBQは急遽来れなかった人がいて男3人女4人。郊外の庭が広い男性宅で行われたそうだ。

「材料やお酒はもう用意してありました。家主の方が積極的に焼いてもてなしてくれてすごく盛り上がってました」

◆BBQ終盤にチャンスが到来

 食材の8割を焼いた頃、意中の男性が「サッパリしたつまみが食べたいなぁ」とポツリと言ったのを、まなみさんは聞き逃さなかった。

「ここだ!と思い『私、なにか作りますよ』と家主に言ってキッチンを借りたんです。簡単にサラダとドレッシングも作って出したら大好評。そこで私も嬉しくなっちゃって、『まだ余りの食材があれば他にも作ります!』と、さらに3品作ったんです」

 酢漬けに、マリネ、ホタテのバター炒めをささっと作ったまなみさん。だが、出来上がって庭に持っていったところ、状況は一変していた。

「もうすでに3対3でうまく別れて楽しそうにしてたんです。ものの30分くらいだったのに……」

 全員にまなみさんの料理は好評だったというが、残念なことに意中の彼とは何も進展はなかったという。それどころか--。

◆仲間から大好評!だけど、「私はただの便利屋でした」

「彼は、別の子と付き合うことになってました(苦笑)。BBQのときに好き放題お酒飲んで、適当に肉を焼いては焦がしてたような子です。たしかに、顔は可愛らしかったけど。私はただの便利屋でした」

 まなみさんはBBQではかなり重宝されたが「みんなにありがたがられるよりも、彼にだけいいなって思ってもらいたかった」という。

 マコトさんもまなみさんもBBQの相手さえ違えば、もっと楽しめたような気もする。

 BBQでは「男性に仕切って欲しい!」という女性もいれば「女の子が焼いた肉が食べたい!」という男性もいるので意外と双方のニーズをがっちり合わせることは難しいのかもしれない。

<取材・文/吉沢さりぃ>

【吉沢さりぃ】
ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720