パリ五輪
パリ五輪は1日、ボクシング女子66キロ級2回戦が行われ、イマネ・ケリフ(アルジェリア)がアンジェラ・カリニ(イタリア)に勝利した。開始46秒でカリニが棄権。ケリフは昨年の世界選手権で性別適格性検査に不合格となり、出場権を剥奪された過去がある。五輪出場は認められたが、米紙は「出場を巡る議論を鎮めることにはならないだろう」などと指摘している。
初回、序盤からケリフの強打を浴びたカリニは、棄権を選択。納得いかない様子で怒りの声も上げていた。ケリフの勝利が場内にコールされると、カリニは膝をキャンバスにつけて号泣。握手などは交わさずリングを降りた。
米紙「ニューヨーク・ポスト」は「五輪の性別騒動真っ只中のボクサー、取り乱した最初の対戦相手を試合開始46秒で棄権させる」との見出しで記事を掲載。勝利したケリフについて「出場を巡る議論を鎮めることにはならないだろう」と問題視している。
英紙「ザ・ガーディアン」などの海外メディアによると、ケリフは国際ボクシング協会(IBA)主催の昨年世界選手権でDNA検査を実施した際、XY染色体を持っていることが証明されたとして、出場権を剥奪されている。ただ、IBAはガバナンス問題と一連の審判スキャンダルをめぐる長年の問題のため、パリ五輪のボクシング運営を禁止されている。
「ザ・ガーディアン」は「パリ五輪のボクシングは現在、IBAよりも緩いルールを持つIOCのパリ2024ボクシングユニットの管轄下で運営されている」と指摘。ケリフが出場できる背景を伝えていた。
今回の試合について、「ニューヨーク・ポスト」は「激怒したカリニは、ケリフから2度顔にパンチを食らった後、涙を流しながらコーナー際まで後退した。66キロ級の試合が打ち切られると、彼女は叫んだ」と、悲しみに暮れたカリニの様子を伝えている。
ケリフは2021年東京五輪はライト級で出場し、準々決勝まで進出していた。
(THE ANSWER編集部)