◆「45歳なのに子どもを欲しがる男性なんて……」

玲さんが会っている男性は、そこそこ人気がありそうな男性ばかりです。そのためなのか、アプリで会おうと言われても約束が具体化しないままデートが流れることや、結婚相談所でお見合いが成立しても距離が縮まらないまま交際終了になることが多いとか。人気がある男性は当然、ライバルも多いものです。他の女性と比較検討して、玲さんは優先順位が低いのでしょう。

玲さんに「申し込みが来たけれど断った」という男性のプロフィールを見せてもらいました。断った理由も説明してもらいます。

「この人は45歳なのに『子どもを希望する』って書いてるんです。最速で子どもを授かったとしても46歳ごろだし、子どもが就職する頃に自分は退職しているのに、何も考えてなさそう。

この男性は希望欄に『話し合いができる人』って書いてるから断りました。こんな風に書く人は、モラハラ率高いって言われますよね。

この人は前に別の相談所に登録していたと思うんです。その時に1回申し込みが来て、お見合いして断った記憶があります。多分、4年前ぐらいかな。その時は私も別の相談所にいたし、気が付かずに申し込みしていると思うけど、顔に見覚えがありますね。自分も人のこと言えないけど、4年も婚活しているって何かありそう」

そんな玲さんへ、私は次のように伝えました。

「自分のこと客観的に見てみてね。相手の男性も結婚相談所の人も、玲さんのこと『この人ずっと婚活しているな』って分かるんですよ。もしかしたら乗り換えを勧めてこなかった結婚相談所の人だって、そんな理由で入会を断ったのかもしれない。

人を信じられなくてジャッジが厳しすぎる評論家になっちゃったら、まともな男性はみんな去るよ。コミュニケーション力が高い男性ほど、品定めされている空気に敏感ですからね」

◆マッチングアプリ中毒者は結婚から一番遠い

私はいったん、婚活から離れることを玲さんにお勧めしました。

玲さんの休日は婚活でほとんど潰れています。これまでに会った男性は3桁を超え、会う男性が増えるほど「きっとこういう人だろうな」と憶測し、本音も言えずに会うことだけを続けていました。

何もしないで年齢を重ねることが不安で、新しいサービスができると試しに登録するという、もはや婚活中毒者です。

「そうですよね。他の恋愛コンサルからもお休みした方がいいって言われたんですよ」と、どうもコンサルまで渡り歩いているようでした。

後日玲さんからは、結婚相談所の休会手続きをしたと連絡がありました。

婚活中毒者と生活を共にしたい人はいません。探すことが手段ではなく目的化したら危険と思っておいてください。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt