〈大塚女子アパート〉
Architect Data
・所在地:東京都文京区大塚
・設計:同潤会建設部建設課
・施工:大阪橋本組
・竣工年:昭和5年(1930)
・解体年:平成15年(2003)

 アパートというひとつの建築の中に多くの人々が集って住むという、これまでになかったコミュニティを提供した同潤会。その新しいライフスタイルの考え方は市民に受け入れられて、都会的なアパート住まいは庶民の憧れの的となった。その夢や理想は、戦後の公団住宅や民間の集合住宅に引き継がれている。

<文/伊藤隆之、後藤聡(エディターズ・キャンプ) 写真/伊藤隆之 構成/女子SPA!編集部>

【伊藤隆之】
1964年、埼玉県生まれ。早稲田大学芸術学校空間映像科卒業。舞台美術を手がけるかたわら、日本の近代建築に興味をもち写真を学び、1989年から近代建築の撮影を始める。これまでに撮影した近代建築は2500棟を超え、造詣も深い。これまで、『日本近代建築大全「東日本編」』『同「西日本編」』(ともに監修・米山 勇 刊・講談社)、『時代の地図で巡る東京建築マップ』(著・米山 勇 刊・エクスナレッジ)、『死ぬまでに見たい洋館の最高傑作』(監修・内田青蔵 刊・エクスナレッジ)などに写真を提供してきた。著書には『明治・大正・昭和 西洋館&異人館』(刊・グラフィック社)、『看板建築・モダンビル・レトロアパート』(刊・グラフィック社)、『日本が世界に誇る 名作モダン建築」(刊・エムディーエムコーポレーション)、『盛美園の世界』(刊・名勝盛美園)がある