NY市場では、ドルが買い戻された。この日発表の第2四半期の米GDP速報値が年率換算で2.8%のプラス成長と予想を上回り、個人消費も予想を上回った。これを受けてドル円は急速に買い戻された。米株式市場が反発していたこともドル円をサポート。ロンドン市場で151円台まで下落したあと、米指標を受けて154円まで反発と、荒っぽい展開となった。ユーロドルは買い戻しが優勢となり、一時1.0870近辺まで上昇。ただ、上値の重い雰囲気に変化はなく、1.09台を再び試そうという勢いまでは見られず。ナーゲル独連銀総裁の発言が伝わっていたが「データにサプライズがなければ、ECBは利下げができるはずだ」と述べていた。同総裁はまた、ECBの政策は会合ごとに決定され、9月に何が起こり得るか事前にコミットはできないと、ECB当局者がこれまでに表明している姿勢を踏襲している。ポンドドルはNY時間に入って緩やかに戻り売りに押されており、1.28ドル台半ばに値を落とした。英中銀による来週8月1日の利下げ期待はいまのところ五分五分で推移している。

(26日)
 東京市場は、売買が交錯。ドル円は前日海外市場で154.94近辺まで下げたあと、米GDP速報値に強含みを受けて154.30台まで反発する激しい振幅がみられた。東京朝方は153.40付近まで下げたあと、仲値関連のドル買いなどで154.14近辺まで上昇。その後は再び153.50割れへと下落。昼前には154円近くまで下げ渋り。神経質に売買が交錯しているが、午後には153円台後半での推移とやや上値が重くなっている。ユーロ円は166.45近辺から167.28近辺までのレンジ。午後には166円台後半で推移した。ポンド円は197.20台から198.10台までのレンジ。ユーロドルは1.0850挟み、ポンドドルは1.2851-1.2866での小動き。全般に、前日の激しい値動きからは落ち着いた。

 ロンドン市場は、円安の動き。欧州株や米株先物・時間外取引が堅調に推移していることに反応。米PCEデフレータ発表や週末を控えて、株安の流れは一服している。パリでのオリンピック開会式を目前に、フランス高速鉄道に対する破壊行為があったが、バッハ会長は開会式に影響はないと述べている。全般に落ち着いた相場展開となるなかで、ドル円は153円台後半での揉み合いを抜け出すと、高値を154.64近辺に伸ばした。クロス円も底堅く推移。ユーロ円は166円台後半から167円台後半へ、ポンド円は197円台前半から199円付近まで買われている。対ドルでの値動きはまちまち。ユーロドルは1.08台半ばを軸に振幅する一方、ポンドドルは1.28台半ばから後半へと小高い。ユーロ対ポンドでは、ポンド買いが先行も、次第に落ち着いた。この時間帯は手掛かりとなる経済指標発表はほとんどなかった。ECB消費者インフレ期待は、1年2.8%、3年2.3%とともに前回と同水準にとどまった。
 
 NY市場でドル円は再び売りに押され、一時153円台前半まで下落する場面が見られた。前日までの急激な円買い戻しは後退し、ドル円は一時154円台に戻していたが、FRBが重要視するインフレ指標である6月のPCEデフレータが、予想通りにインフレの落ち着きを示す内容となった。個人支出も公表され、底堅い個人消費が示され、市場は9月のFRBの利下げ期待を変えていない。