(23日)
 東京市場は、円買いが優勢。朝の日経報道で次期首相候補の一人である茂木・自民党幹事長が日銀に対する利上げ要求発言を行ったことがドル円、クロス円の重石となった。幹事長は「過度な円安は日本経済にとってマイナスなのは明らか、物価上昇が長期化する恐れがある」「段階的な利上げの検討も含め金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」などとしている。先日の河野デジタル相に続いて、ここにきて秋の総裁選立候補が噂される有力議員からの利上げに向けた発言が続くことで、今月の日銀会合での利上げ期待も含め、海外勢を中心に早期の利上げ期待が広がる展開となっている。ドル円は157円付近から一時156.20近辺まで下落。ユーロ円は171円付近から170.10台まで下落した。ユーロドルは1.08台後半での10ポイントレンジにとどまった。

 ロンドン市場は、円高の動きが継続。東京朝方に自民党の茂木幹事長の、過度な円安は日本経済にとってマイナス、日銀に段階的利上げ検討も含め金融政策正常化の方針をもっと明確に打ち出す必要、との発言が報じられた。これを受けて日銀利上げ観測が再燃している。ロンドン時間にも円買い圧力が継続し、ドル円は155.80台、ユーロ円169.40付近、ポンド円201.10台などへと安値を広げている。ロンドン時間にはドルストレートでのドル買いも加わっている。クロス円の下落がユーロドルやポンドドルの上値を重くしたほか、中国発のリスク警戒でドル高となる面も指摘された。資源価格下落やリスク回避に敏感な豪ドルが軟調となり、豪ドル/ドルは0.6620付近に安値を広げている。ユーロドルは1.0850台、ポンドドルは1.2880台まで下押しされた。今月末の日銀決定会合に関する思惑、米FOMCを控えてブラックアウト期間入りとなるなかでのポジション調整、米大統領選関連の思惑からのドル相場の神経質さなど、様々な要素が交錯している状況のようだ。

 NY市場では、円買いが優勢。ドル円は一時155円台半ばまで下げ幅を拡大。9月のFRBの利下げ期待が高まる中、円キャリー取引の巻き戻しが続いており、ドル円は下値模索が続いている。
来週のFOMCが目先の注目だが、円相場に関しては日銀の決定会合も来週に予定されている。日銀の予告通りに国債購入減額の具体策を発表してくると見られている減額幅が焦点に。それ以上に利上げ実施の見方も一部では根強い。先日の河野デジタル相に続いて、本日は茂木自民幹事長が「金融政策を正常化する方向で着実に政策を進める方針をもっと明確に打ち出すことが必要」と語っていた。市場では今回は利上げに言及はするが、実施は先との見方が有力視されている模様。短期金融市場では0.1%の利上げを45%程度で織り込んでいる。ユーロドルは1.08台半ばへと緩やかな売りに押された。ECBについて、短期金融市場では80%の確率で9月の追加利下げが織り込まれている。ポンドドルは1.28台に軟化も、その後は押し目買いが入った。ただ、全体的にポンドドルは上値が重くなって来ており、調整の動きが続いている。市場では来週の8月1日に英中銀が利下げを開始するかで見解が分かれている。短期金融市場では利下げに踏み切ると見ている確率は40%程度。

(24日)
 東京市場では、円高が止まらず。ドル円は朝方に買い戻しが入ったが155.99近辺と156円を付けきれず。その後は売りに転じて155.50割れから売りが加速、午後には154.37近辺まで安値を広げた。海外勢を中心に来週の会合での利上げ期待が広がっており、短期金利市場では約56%の利上げ織り込みと、利上げ派が据え置き派を上回っている。クロス円も軒並み下落した。ユーロ円は167.50割れ、ポンド円は199円付近、豪ドル円は101円台後半、NZドル円は91.50割れなどへと大幅安になっている。ユーロドルが1.842-1.0855レンジとなるなど円を除くと落ち着いた動き。