また、“お寺の仕事”としてイメージされている以外の形でも、活躍の場や機会は多いんですよ。例えばインバウンドで海外からどんどんいろんな人たちが来ている中で、宿坊(しゅくぼう)といってお寺に宿泊するサービスを提供しているとこもあります。英語を話せる奥さんに、海外から来たお客さんのおもてなしで非常に助けられているという話も聞きます。

◆お寺が収益を得る方法は、檀家さんのお布施だけじゃない

――お寺さんの収入というのは、お布施で成り立っているのでしょうか?

松村:寺院に所属する家の方を檀家さんと言うのですが、その檀家さんの法事やお葬式、月命日を執り行うことで収入を得ていますね。収入は檀家さんの数に比例するものなので、お寺によって異なるんです。

草野:檀家さんからいただくお金だけで運営していると、厳しいと思うこともあるかもしれませんね。でも、いわゆる寺社の「収益事業」というものがあって、たとえばお寺をレンタルルームとして場所を貸し出すなど、物品販売業、不動産販売業、不動産貸付業、旅館業といった合計34種類の事業が認められているんです。

宗教法人であるお寺は宗教活動に関しては非課税ですが、収益事業の売り上げは税務署への申告が必要です。そうすれば宗教活動以外でも収入を得ることができるんです。

◆もっと気軽にお寺を訪れてほしい

――お寺でできることは、色々ありそうですよね。結婚相談所「寺社の縁結び」や、寺社の経営をサポートする「寺社friends」もその一つということですか?

津守:お寺は関係者の方以外、なかなか入りにくい雰囲気がありますよね。このイメージをなんとかして払拭したいと思っているんです。だから「寺社friends」を通じて、もっと色々な人がお寺に来られるようにしたいですね。松村さんがお寺でおこなっているイベントも、その一環ですよね。

松村:そうですね。地域とお寺のつながりを強くしたいという想いがあって、お寺でマルシェなどのイベントを開催しています。婚活でも、お寺でも、興味があればぜひ気軽に足を運んでみてほしいと思います。

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昔はもっと身近にあったお寺ですが、今は法事などの用がないとなかなか行く機会がないという方がほとんどではないでしょうか。

取材を通して、お寺をもっと身近に感じてほしい、地域とのつながりを強くしたいという皆さんの想いがひしひしと伝わってきました。お坊さんと出会いたい方はもちろん、お寺に興味がある方は、松村さんが開催している「お寺マルシェ」のような地域の寺社のイベントに参加してみるのもよさそうです。

【寺社の縁結び】
僧侶や神主と結婚する男女の縁結びサイト。寺社(寺院、神社)の跡取りの男女とその方々との結婚を希望する男女のみで運営している。
<取材・文/田中亜依>

【田中亜依】
恋愛・婚活コンサルタント、デートコーチ。婚活歴10年、婚活に700万円を投資。マッチングアプリ、結婚相談所、合コンで600人以上の男性と出会い結婚。この経験を生かし、国内最大手結婚相談所にて「また会いたくなるデート方法」などのセミナー講師として活動。公式ホームページ/Twitter:@date_coach_ai/Instagram:@ai_tanaka1019