Aさんは、全く悪びれない迷惑老人たちを見る度に、気が重くなっていたという。

「迷惑老人たちを見ていると、お金も趣味も仕事もない人が多いような印象を受けます。時間だけはあるから、しょうもないことをして時間を潰すしかないんでしょう。本格的な高齢化社会が到来すると、日本はどうなってしまうんでしょうかね」

迷惑行為以外にも、社会との繋がりを

筆者が銀行で働いていた頃も、バスの時間までATMで時間を潰す老人がいた。無人の個室ブース席である“テレビ窓口”で食事をして、そのままゴミを残していく老人も見たことがある。彼らはただマナーが悪いだけで、大きな問題には発展しなかった。

しかしAさんのケースは、明らかに悪質である。銀行員の業務時間を、本来費やすべきではないことに使わせているからだ。会社から時間を奪っているともいえる。会社の利益が出ないと日本が不景気になり、自分たちもいずれ困るはずなのだが……。

まだまだ社会には人手が足りないところがたくさんある。老人にはパートタイムの仕事やボランティア活動や孫の世話やスポーツジムで身体を動かすなど、迷惑行為の他にも社会との繋がりを見つけて欲しいものだ。

<文/綾部まと>

【綾部まと】
ライター、作家。主に金融や恋愛について執筆。メガバンク法人営業・経済メディアで働いた経験から、金融女子の観点で記事を寄稿。趣味はサウナ。X(旧Twitter):@yel_ranunculus、note:@happymother