◆切っても切ることができない根深い問題

 基本的に金庫は、大きい工場へ持って行って処分するのだが、一台100キロ以上もある場合が多いので運び出すのにひと苦労だ。場合によっては、提携業社と共に油圧リフトやクレーン車を用いて作業を行う。

「どんな部屋でも、どんな遺品が出てきても僕たちはとにかくキレイにするのが仕事ですし、依頼主さんも悩みを抱えて依頼してくることが多いので、なるべく今の心境から少しでも前に進めるようなお手伝いができたらいいなと思っています。基本的には依頼された内容にきちんとコミットすることに全力を尽くしています」

 孤独死問題と遺品問題は切っても切ることができない根深い問題である。一人暮らしの場合は、なるべく遺品になりそうなものは早めに整理をするか、残された者に負担が行かないような生きざまを心がけるしかないのであろうか。

<構成/山崎尚哉>

【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦