◆大変だけどコンビニで働き続ける理由は?

「昔はひきこもりの方なんかが社会に復帰しやすい仕事と言われていたんですよ。仕事をある程度覚えれば楽しい仕事ではあったんです。それを本部が売り上げの半分以上吸い上げる形にしてしまった。人件費は出さない中で、一つひとつ丁寧に接客しろ、その一方で何もかも作業を早くこなしなさない、というのを同時にやっている。矛盾がすごいんですよね」

「大手3社のうちどこか1社が先手を切って改善しないと、他も追従しないだろう」と冷静に分析するRさん。本部への疑念は拭えないままだが、それでも15年以上コンビニ勤務を続けてきた。

「地域に密着しているので、接客する中でお客様のことも知ることができて、社会勉強にもなります。自分なりに接客して、感謝されるとやはり嬉しいというのもありますし、いろいろなことを短い期間で変えていけるところに面白味も感じています。提供するサービスも全く違う中で、お客様によって接客も使い分ける必要があるので、それらに短期間で対応している。僕は同じことを毎日繰り返す仕事が苦手なので、例え大変だったとしても、コンビニの仕事は合ってはいるんでしょうね」

 本部の“無茶振り”に対し、自身の柔軟性をフルに発揮しつつ対応してきたRさん。大手3社は現場のスタッフになにもかも“丸投げ”するのではなく、改善に動き出して欲しいところだ。

<TEXT/延岡佑里子>

【延岡佑里子】
障害者雇用でIT企業に勤務しながらの兼業ライター、小説家。ビジネス実務法務検定2級、行政書士試験合格済み。資格マニアなのでいろいろ所持している。バキバキのASD(アスペルガー症候群)だが、パラレルキャリアライフを楽しんでいる。Xアカウント名:@writer_nobuoka