Mai Kuraki Live Tour 2005 LIKE A FUSE OF LOVE。9月3日のなら100年会館を皮切りに全国14箇所16公演で行われてきたこのツアーも、10月28日、東京・日本武道館にてツアーファイナルを迎えた。

 19時08分、予定時間を若干過ぎてライブがスタート。ステージ中央、左右に設けられた巨大スクリーンに倉木麻衣の姿が映し出された瞬間、客席から大歓声が沸き起こる。オープニングナンバーは「ダンシング」。白のタンクトップにジーンズというラフな衣装で一気に3曲を歌ったところでまずは最初のMC。「初日のなら100年会館からここまで、会場の皆さんとの心と心のつながりを大切にして歌ってきました。」と挨拶を述べた。

 4曲目「P.S MY SUNSHINE」の後はこれまでのアップテンポな雰囲気とは一転、しっとりと「You look at me〜one」「Love,needing」「Don't leave me alone」の3曲を歌いあげ、所々にこぼれる吐息が歌詞の切ない感情を高揚させながらも、同時にこんな華奢な体の一体どこに?と驚きを隠せないほどに芯の太さ、力強さを彼女の根底には感じさせられた。

 ここで一旦、舞台袖に戻り、総勢10人のメンバー自身によるメンバー紹介。会場を埋め尽くした観客から「Mai.K」コールが沸き上がると、今度は鮮やかな赤のタンクトップに着替えて、勢いよく登場。ライムグリーンのスニーカーが時おり照明に反射して輝いて見える。8曲目「駆け抜ける稲妻」を歌い終えた後、2回目のMC。「ここからバラードが続きます。よかったら座って聴いて下さい。」と言うと、総勢1万人の観客は行儀よく着席。「テレビで流れる悲しいニュースを見て、自分に何かできることはないだろうか。」と思って作った曲「I sing a song for you」をピアノをバックに歌い、そんな彼女をスポットライトが優しく照らす。

 「これからも心に響く音楽を伝えていきたいと思います。」とのMCの後、「Time after time〜花舞う街で〜」では、薄紅の花びらが舞い散る中で幻想的に歌う彼女の姿がスクリーンに映し出される。「Secret of my heart」では雲の切れ間から差し込む太陽の光の様に、歌う表情にも徐々に笑顔をのぞかせ始めると、14曲目「Delicious Way」のイントロが流れた瞬間、客席もしびれを切らしたかの様に再びオールスタンディング!静から動へと一気にアップテンポに変わり最高潮へ。心なしか観客の拍手も一体感を増し、最初の頃より大きく聞こえる。

 「L.O.V.E」のサインが印象的な「Love, Day After Tomorrow」、「Stand Up」では武道館の床が抜けるのではないかと思わせるほど、観客が一斉にJump!彼女も負けずにステージ上を所せましと上手や下手へと移動し、会場に来てくれた全員に「ありがとう」と感謝の気持ちを込めて精一杯に手を振る。そして本編最後の曲「Feel fine !」を歌い、ステージを後にした。