[画像] 火にアルコール1リットルで爆発的炎上 BBQ事故で調査委が報告書

 ハリウッドワールド美容専門学校(福岡県柳川市)の学生4人が死傷した昨年5月のバーベキュー事故で、第三者調査委員会(委員長=中馬充子・西南学院大教授)が4日、調査報告書を公表した。事故は、火のついたバーベキューコンロに1リットルのアルコールを同校職員が投入したことが原因で、背景には、アルコール使用を発案した古賀英次理事長に危険性を進言できる職員がいなかったことなどを挙げた。

【写真】午後0時51分、学生ら囲むコンロが爆発的炎上 そのとき何が

 バーベキュー大会は昨年5月24日昼に同校で開催され、学生約470人や職員らが参加。火が弱いコンロに同校職員がアルコール1リットルを投入した結果、風下にいた18〜20歳の男子学生4人の服や体に引火し、18歳の学生がやけどによる敗血症性ショックで死亡した。

 報告書によると、火起こしに手指消毒用のアルコールを使うことは古賀理事長が事故前日に発案。実験したうえで、当日も古賀理事長と職員が12台のコンロの炭の上にアルコールをかけ、着火した。古賀理事長は火が弱かったコンロには、アルコールを追加で注ぎ、一気に青い火が燃え上がった。熱中症や食中毒を心配して火力を気にしていたという。

 火が弱かった別のコンロにアルコールを投入して事故を起こした職員は、日頃から理事長に叱責(しっせき)されることがあったといい、調査委に「前回も火起こしが遅くて叱られたので、食べるのが遅くなるとまた怒られるんじゃないかと思った」「理事長が(アルコールを)追加するのを見て、最初は危ないと思っていたが、すぐ火がつくと思った」などと証言した。理事長から職員への直接の指示は否定した。