『古畑任三郎』に主演した田村正和さん

 フジテレビの黄金期を築いた「月9」枠で、ドラマの視聴率が低迷している。

「フジの『月9』といえば、最終回の視聴率が37.8%(平均視聴率28.4%)を記録するなど、もっとも視聴率が高かった『ひとつ屋根の下』(1993年)を筆頭に、『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』(ともに1991年)など、数々の高視聴率ドラマを生み出してきました。さらには『ロングバケーション』(1996年)、『ラブジェネレーション』(1997年)、『HERO』(2001年)など、木村拓哉主演のヒット作を連発させ、キムタクを『平成の視聴率男』に押し上げた、いわばフジテレビにとっての看板枠です。

 しかし、近年は低迷が続き、2023年だけを見れば、7月期の『真夏のシンデレラ』以降、1年を通じて一度も2ケタの視聴率を獲得できませんでした。これに局はあせりを感じているようです」(芸能ライター・視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区)

 そこで、同局が起死回生の一手として、故・田村正和さんが主人公を演じ大ヒットした刑事ドラマ『古畑任三郎』の復活プロジェクトを狙っていると、一部メディアが報じた。

「記事では、6月21日まで同局で再放送された同ドラマの視聴率が高かったこともあり、フジサイドが脚本家の三谷幸喜氏にも承諾を得たうえで、キャスティング作業を進めていると報じられています。肝心の“ポスト田村”の人選に関しては、木村拓哉、福山雅治、大泉洋、ディーン・フジオカ、長谷川博己らの名前があがっているそうで、現状では木村が最有力視されているとのことです」(同前)

 田村正和が演じた、クセの強すぎるキャラクターとして知られる古畑任三郎の復活の可能性に、Yahoo!ニュースのコメント欄には、

《名前が挙がってる中では長谷川さんのアンチヒーローでの怪演が記憶に新しい。新境地を切り開いてくれるのではないかという期待感はある》

《木村さんだとモノマネになってしまう 大泉さんで見てみたい気もする》

 など、新キャストでの古畑復活に期待を寄せる声もあるものの、

《古畑任三郎の大ファンで放送された回、スペシャルは全てディスクに保存、再放送もかかさず観ています。でも新作に関しては全く興味ありません。というよりやらないで欲しいです。この作品は演者含めて完成され完結しています。どなたが演じても名作を越えられるとは思えません》

《田村正和さんが亡くなった際、三谷幸喜さんは「田村さんがいなくなってしまった今、古畑任三郎が事件現場に戻ってくることはもうありません」というコメントを送っています。そもそも古畑任三郎という作品は、田村さんの演技をイメージしながら三谷さんが脚本を書き、その脚本のイメージに沿うように田村さんが役作りを徹底するという、お互いがリスペクトを送りあうことで創出された傑作です。(中略)そんな三谷さんが古畑を別人に演じさせる訳がありません》

《本気で他のタレントで古畑をやろうなんて考えてるんだったらマジでフジTVは終わってるわ》

 など、別の俳優が古畑を演じる声に反発する声が圧倒的に多くあがっている。

 復活に根強い反対が出てくるのも、名作ゆえのジレンマか。