5月6日、湘南ベルマーレはJ1第12節でサガン鳥栖と対戦し、2−1で勝利した。

 チームを10試合ぶりの勝点3に導く決勝点を挙げたのは、阿部浩之だ。1−1で迎えた46分、平岡大陽からパスを受けた畑大雅が逆サイドに展開し、走り込んだ池田昌生のワンタッチでの落としを、阿部が右足で丁寧に流し込んだ。

 試合後、阿部は得点シーンをこう振り返った。

「昌生に良いパスが入った瞬間に、昌生やったら落としてくれるかなと思った。自分の得意な形に持って行けましたし、しっかりと決められて良かったかなと」
【動画】阿部浩之の決勝点!
 阿部は25分の福田翔生の同点ゴールも演出していた。ペナルティエリアの左角でタメを作り、正確なクロスを供給。背番号7の冷静さと技術が詰まったシーンを、本人は次のように回想した。

「空いたスペースが見えていたので、翔生が動き出すのを待ってからクロスを上げました。もし動き出さなければ、外(オーバーラップしてきた平岡大陽)を使おうと思いましたが、翔生が思い通りの動きをしてくれたので、ゴールにつながりました」

 今節の白星は、湘南の今季ホーム初勝利でもある。シーズン序盤に大きく躓いたチームは、鳥栖戦の勝利をきっかけに、逆襲を期す。

 次節以降からの巻き返しへ、阿部は「(ホーム初勝利は)だいぶ遅かった。自分たちの特長を出しながら、みんなが気持ち良く、楽しくプレーできるのが一番強い。自分たちができることをやり切って、もっと勝てるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)