「ボクシング・WBO世界バンタム級タイトルマッチ」(5月6日、東京ドーム)

 元K−1 WORLD GPスーパーバンタム級王者で5位の武居由樹(大橋)の挑戦を受ける、王者ジェーソン・モロニー(オーストラリア)が30日、都内で公開練習と記者会見を行った。

 モロニーは「彼の爆発力があってスピードのあるスタイル、キックボクシングのバックグラウンドから来るボクサーとは少し違った距離の取り方も含めて準備をしてきた。対応するために3人の(日本人の)スパーリングパートナーを呼んだし、武居が何を持ってきても対応できるだけの準備を整えてきているつもりでいる」と、武居の変則的なスタイルや強打への対応に自信を見せた。

 「キックボクシングのバックグラウンドがあるので、普段とは違ったパンチが来ると思う。集中力を切らさず、目をそらさずに戦い続けなければいけない。集中力はある方だと自負している」と警戒も怠りなかった。

 モロニーのトレーナーのアンジェロ・ハイダー氏は、2022年12月の武居−ブルーノ・タリモ戦(武居が11回TKO勝ち)で、タリモのトレーナーを務めている。

 ハイダー氏はモロニーが「あらゆるボクサーに自分を合わせて勝ってきた、従来そんなにいなかった選手。武居のパワーと才能に対峙(たいじ)するための力を持っている」と、対応力に優れていることを強調。

 「私もタリモ戦で武居をしっかりと見てきた。彼のトリックも再現できるようなスパーリングパートナーを用意したし、われわれの方に分がある。われわれは真の戦争に何度も足を踏み入れた経験があるからだ。武居は才能に助けられていた部分があると思う。真の戦いに挑む時に、彼がどういう戦いをするのか見ものだ」と、経験の差も指摘していた。

 また、モロニーは20年10月に武居の同門である井上尚弥のWBA・IBF王座に挑戦し、7回KOに敗れているが、「自分にとってとても価値がある、成長の機会となった対戦だった。パウンド・フォー・パウンドとの対戦は、何よりも大きいものだったと思う」と回想。井上が同じ興行でルイス・ネリ(メキシコ)の挑戦を受けて4団体統一世界スーパーバンタム級王座の防衛戦を行うことに触れ、「頑張ってほしい」とエールを送っていた。