「ドクターマーチン(Dr. Martens)」が、中国の格安越境ECプラットフォーム「ティームー(Temu)」を商標権侵害の疑いで提訴したと、英「タイムズ(The Times)」紙が報じた。

【画像をもっと見る】

 タイムズ紙の報道によると、ドクターマーチンは英・高等法院に提出した訴状の中で、ティームーが同社のプラットフォームでグーグル(Google)広告を使ってブーツの宣伝を行う際、ティームー製の類似商品にもかかわらず「ドクターマーチン」や「Airwair」といったフレーズを使用したと主張。ドクターマーチン側は、ティームーの行為は商標権を侵害する広告を禁止するグーグル自身のポリシーにも反するのではないかとしている。

 なお、ティームーはこれまでも他社との間で訴訟に発展しており、2022年12月には「シーイン(SHEIN)」がティームーを著作権の侵害などを理由に、2023年7月にはティームーがシーインを米国の反トラスト法独占禁止法)違反の疑いでそれぞれ提訴。その後互いに対する訴訟を取り下げた後、再び同年12月に、ティームーがシーインを知的財産権の侵害やサプライヤーへの脅迫などで米・コロンビア特別区裁判所に提訴するなど、泥沼化している。

 ティームーは、2022年9月に欧米やアジア向けに格安商品を提供するECプラットフォームとして、マサチューセッツ州ボストンで設立。年間の注文数は61億件を超えており、現在、英国のApp Storeでのショッピングアプリランキングでは1位となっている。2023年7月には日本にも上陸し展開をスタートした。