ソニー<6758>製のノートパソコン用リチウムイオン電池の異常過熱問題で、同社は24日午後、自主回収プログラムを正式に発表した。交換対象個数は約960万個で、約510億円の費用を見込む。

 対象となるのは、2003年8月から06年2月までに製造された2種類(2.4Ah、2.6Ah)のソニー製リチウムイオン電池セルを用いた、一部のノートパソコン用電池パック。デル、アップル、レノボの回収分を含めると約960万個が対象で、費用は約510億円を見込む。960万個もの電池を交換するため自社製品だけでは足りず、他社にも供給してもらえるよう交渉するという。

 具体的には各製品の販売企業を通じて行われ、交換開始時期や方法については各企業から個別に利用者に案内する予定。廃棄処理はソニーが行う。

 東京都港区の新高輪プリンスホテルで会見した中川裕・執行役副社長(セミコンダクタ&コンポーネントグループ担当)は、今回の電池発火の原因についてニッケルの微粒子が電池内の正極と負極の間に混入したとの見方を示した。また、電池の事業について「今後も非常に重要と考えており、縮小する事はない」と言明。経営陣の責任については、自主回収プログラムをすみやかに実行することが最優先だとして、現在は役員報酬の返上などは検討していないことを明らかにした。【了】

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