[画像] 低迷する ナイキ 、アディダス、プーマ。新興ブランドに市場を奪われ気味

アナリストらがナイキ(Nike)の売上減少を予想するなか、同社は3月21日に第3四半期決算を発表。それによると、売上高は124億ドル(約1兆8782億円)と微増したものの、純利益は11億7200万ドル(約258億円)で5.5%減となった。

なお、前四半期の決算は同社にとって4四半期ぶりに鈍化し、ナイキ所有の店舗や電子商取引サイトといったD2Cチャネルに重点を置くナイキの戦略が、今日のスポーツウェア市場で苦戦していることを示していた。

低迷する大手スポーツウェアブランド



消費者の需要のムラ、そして時代遅れともとれるプロダクトイノベーションがナイキの販売上の問題を悪化させ、オン(On)やホカ(HOKA)などの新規参入企業が市場シェアを奪いつつある。顧客需要の低迷の影響を受けているほかの大手スポーツウェアブランドも同様だ。

たとえば、アディダス(Adidas)は2023年の財務状況回復に苦戦し、3月の決算発表で30年以上ぶりの年間赤字を報告した。カニエ・ウェストのイージー・ライン販売中止が大きな打撃となったかたちだ。一方でプーマ(Puma)もまた、2023年第4四半期の業績が落ち込み、2024年上半期の業績予想も軟調だった。

経営陣の交代が意味するもの



スポーツウェア業界は、アンダーアーマー(Under Armour)、ブルックス(Brooks)、オールバーズ(Allbirds)、デッカーズブランド(Deckers Brands)、クロックス(Crocs)、フィラ(Fila)などのブランドによる主要なCEOの交代で注目を集めている。それら企業は、自社ブランドが2023年の販売不振から回復できるよう、新たなリーダーシップを模索しているようだ。経営陣の入れ替わりが起こるかどうか注目が集まっているのは、ナイキも同様と言える。

同社はいまところ、D2Cファースト戦略に転換し、自社サイトや店舗を押し出すことでブランドのフットプリントを活性化し、在庫コストを削減中だ。同社の最新の収益報告によると、競合他社のアディダスやプーマと比較して、D2Cの売上高に占める割合がもっとも高い。

ナイキのようなブランドや小売業者は、不況を乗り切るため、eコマース事業やデジタル注文に対応する店舗でのフルフィルメント機能を拡大し続けている。



[原文:Research Briefing: Nike expects continued downward sales trend despite DTC-first strategy]

DANIA GUTIERREZ(翻訳・編集:島田涼平)