2022年10月にイーロン・マスク氏がTwitter(現X)を買収した後、Twitterから解雇された元CEOのパラグ・アグラワル氏や元CFOのネッド・シーガル氏ら4人が、「合計1億2800万ドル(約192億円)にのぼる退職金が支払われていない」と主張し、マスク氏とXに対して訴訟を提起しています。

twitter-exec-lawsuit.pdf

https://s3.documentcloud.org/documents/24457674/twitter-exec-lawsuit.pdf

Former Twitter Executives Sue Musk Over Unpaid Severance - WSJ

https://www.wsj.com/tech/former-twitter-executives-sue-elon-musk-for-over-128-million-in-severance-ea10f43a



Elon Musk Sued by Ex-Twitter CEO, Others for $128 Million in Severance Pay - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-03-04/ex-twitter-executives-sue-musk-for-128-million-in-severance-pay

Former Twitter CEO sues Elon Musk | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/03/04/former-twitter-ceo-sues-elon-musk/

マスク氏は当初、Twitterとの間で買収に向けた契約を2022年4月に結びました。しかしマスク氏は2022年7月に買収の中止を発表。その後Twitterはマスク氏を提訴し、どうにか買収契約の履行を取り付けることに成功。その後、2022年10月にマスク氏によるTwitterの買収が完了しました。

イーロン・マスクが「やっぱりTwitterを買収する」との意向を示す - GIGAZINE



by Steve Jurvetson

そして2022年10月にTwitterを買収したマスク氏は、かねてから確執があったとされる、アグラワルCEOやシーガルCFOらを解雇しました。

マスク氏がTwitterのCEOとCFOを解雇、「Twitterを参加自由の地獄絵図にはしない」と言論に制限を設ける構え - GIGAZINE



新たに、アグラワルCEOやシーガルCFO、法務・政策責任者のヴィジャヤ・ガッデ氏、法務顧問のショーン・エジェット氏の4人がXおよびマスク氏に対して退職金の支払いを求める訴訟を起こしました。訴状によると、Xおよびマスク氏はアグラワル氏に5740万ドル(約86億円)、シーガル氏に4450万ドル(約67億円)、ガッデ氏に2000万ドル(約30億円)、エジェット氏に680万ドル(約10億円)、合計約1億2800万ドルの退職金を支払う必要があるとのこと。

幹部らは「買収に関する一件で、どうやらマスク氏は我々に対する『特別な怒り』を抱いているようです」「マスク氏は明確な契約上の約束の履行を繰り返し拒否することで経費の一部を回収するとともに、我々に対し個人的な報復を行っています」と述べ、退職金の未払いがマスク氏から幹部らへの報復によるものだと主張しています。

マスク氏はかつて、「彼らは正当な理由で解雇された」と述べており、退職金を支払う必要がないことを主張していました。幹部らによると、解雇された理由として「買収に関わった弁護士に対して成功報酬を支払ったことや、会社の資金の無駄遣い、従業員へのボーナスや退職金制度の不適切な取扱い」を指摘されたとのこと。一方で幹部らは「これらの理由はこじつけで、全くもって支持できない」と反論しています。



また、幹部らは「マスク氏は我々への退職金を支払いたくないと判断したため、虚偽の理由をでっち上げ、正当な理由がないにもかかわらず解雇を行いました。さらにマスク氏は、自身の決定に賛同するさまざまな会社の従業員を引き抜いて後任として任命しました」と指摘しました。

幹部らは「退職金を支払わないのはマスク氏の戦略です。他人に借りているお金を手元に置いておき、自分を訴えるように仕向けることで、たとえ敗訴したとしても相手に手間や費用をかけさせることが可能になります」とマスク氏の言動について批判しています。