すると直後の65分にはその清家に決定機が到来。ボックス右のスペースへ侵入した田中の折り返しはブロックされたものの、セカンドボールを回収した清水梨紗が右足で低弾道のクロスボールを蹴り込む。相手GKの前に入った清家がこのクロスに反応したが、うまくジャストミートできず、加えてファウルと判定された。

 一進一退の攻防が続きながら時計の針は進んでいったが、76分になでしこジャパンが再びスコアを動かす。敵陣ボックス手前右寄りの位置でルーズボールを拾った藤野がマイナスへ落とすと、長野がダイレクトでスルーパスを送る。右サイドを駆け上がってきた清水が粘りを見せてボールを残し、浮き球のボールを送ると、中央へ走っていた藤野がヘディングシュート。若きアタッカーが待望の追加点をもぎ取った。

 なでしこジャパンが追加点を挙げ、五輪出場を大きく手繰り寄せたかと思われたが、北朝鮮女子代表もこのままでは終わらない。リ・ハクからのスルーパス1本で背後を破られると、GK山下が飛び出した位置を見てキム・ヒェヨンにループシュートを決められてしまう。北朝鮮女子代表も決して諦めず、試合は手に汗握る展開で終盤に突入する。

 後半アディショナルタイムに入ると、なでしこジャパンはマイボールの時間を作りながら時計の針を進め、試合はこのままタイムアップ。2戦合計180分間の戦いを2−1で制したなでしこジャパンが、2大会連続6度目のオリンピック出場を決めた。

 この後、なでしこジャパンは4月に海外遠征が予定されており、その後アメリカにて開催される2024 SheBelieves Cupに臨む。なお、パリ五輪の女子サッカーには12カ国が参加。7月25日に開幕し、決勝戦は8月10日に行われる。

【スコア】
なでしこジャパン 2−1(2戦合計:2−1) 北朝鮮女子代表

【得点者】
1−0 26分 高橋はな(なでしこジャパン)
2−0 76分 藤野あおば(なでしこジャパン)
2−1 81分 キム・ヒェヨン(北朝鮮女子代表)

【スターティングメンバー】
なでしこジャパン(3−4−2−1)
GK:山下杏也加
DF:高橋はな、熊谷紗希、南萌華
MF:清水梨紗、長谷川唯、長野風花、北川ひかる(89分 古賀塔子)
FW:藤野あおば、上野真実(63分 清家貴子);田中美南(89分 植木理子)


【ハイライト動画】なでしこ、北朝鮮を破りパリ五輪行きの切符を掴み取る!