[画像] 「パルワールドはポケモンのパクリ論争」でパルとポケモンの3Dモデル比較動画の制作者が逆にねつ造を疑われてしまう、制作者はスケールを変更しただけと否定



オープンワールド・サバイバルクラフトゲーム「パルワールド」に登場するキャラクター「パル」とポケモンの3Dモデルを比較した動画がX(Twitter)で公開されたことで、「パルワールドのモデルはポケモンの3Dデータを盗用したのではないか」という激しい議論が巻き起こりました。その後、元の比較動画は似ているように見せるために編集が行われたのではないかとの指摘がなされましたが、動画の制作者はスケールを変更しただけだとしています。

Palworld And Pok​​émon Comparison Wasn’t Fabricated, Maker Says

https://kotaku.com/pokemon-palworld-comparison-models-plagiarism-ai-1851192901

リリースからわずか4日で600万本を売り上げる爆発的なセールスを遂げた「パルワールド」ですが、パルワールドに登場する不思議な生き物「パル」の見た目や雰囲気がポケモンに似ていることから、一部では「ポケモンのパクり」だという人もいます。

パルとポケモンの類似性に関する論争の中に、「パルワールドのゲーム中の3Dモデルはポケモンから抜き取ったデータの流用だ」とするものがあります。その発端となったのが、「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(SV)」に登場するレントラー(英名:Luxray)というポケモンの3Dモデルを、パルワールドのデータと比較した以下のムービーです。なお、比較対象になっているパルは未実装で、リリース前に削除されたものだと考えられているとのこと。



比較動画を投稿したXユーザーのbyo氏は、エンニュート(英名:Salazzle)というポケモンでも同様の比較動画を作っています。



byo氏は盗用と断定しておらず、「ふざけただけだった」と釈明していますが、SNS上では盗用の証拠として広く出回りました。

特に、Blizzard Entertainmentで「World of Warcraft」シリーズや「Diablo III」の制作に携わったことがあるゲームデザイナーのエリック・コヴィントン氏は、byo氏の比較動画を引用して「ほぼ正確な比率を持つ複雑なモデルのメッシュを『偶然』作成することは事実上不可能です」と非難。「任天堂やポケモンの制作会社から法的措置が取られる可能性は高いと思います」と述べています。



比較動画が話題になるにつれて、今度はbyo氏が2つのモデルが似ているように見せるためにモデルに手を加えたのではないかという疑惑が噴出しました。もともと、byo氏は動画を作成する際にモデルのスケールを調整していましたが、これがねつ造のための編集だと解釈された模様です。

スケールの変更はモデルを拡大・縮小するものであるため、2つのモデルが似て見えるように改変するのとは異なりますが、byo氏がスケールを変更したとポストで述べたことで、「byo氏が改変を認めた」とみなされるようになってしまいました。



ゲーム系ニュースサイト・Kotakuによると、「パルワールドのキャラクターはAIで作成されたものだ」と主張する人までいるとのことで、Kotakuは「結局のところ、byo氏の動画は決定的な証拠ではなく、推測と仮定から紡ぎ出された物語であるという点で、AI使用疑惑と同列です」と述べました。

また、Kotakuの取材を受けたbyo氏は、パルワールドの盗作疑惑について「私でさえ100%決定的な証拠があるとは思いませんし、誰かが未編集のモデルを見つけない限り、そうと決まることはないと思います。また、モデルの編集はとても簡単で、リメッシュなら10秒でできます。ですから、現時点でできるのは類似点のパターンを確立し、それがコピーする意図を示しているかどうかを人々に判定してもらうことぐらいでしょう」と話しました。

なお、byo氏は比較動画を制作した動機について「パルワールドが動物虐待を美化していることに嫌悪感を覚えるからです」と述べていますが、Xでの一連の騒動に巻き込まれたことで、パルワールドの制作会社であるポケットペアの開発チームに共感を覚えるようになったとのこと。

byo氏はKotakuに「Twitterのポケモン論争の主人公になるのは面白かったです。ほとんどの人は親切で、好奇心旺盛で、私に殺害予告を送るようなことはしませんでした。対象が何であれ、人々は個々の主張に対して懐疑的になるべきです。誰かが私の代わりに殺害予告をしたようですが、Twitterなんてそんなものですよね」と話しました。

600万本突破のパルワールドが海外でも「ポケモンに似ている」と話題、株式会社ポケモンの元法務責任者は「年に何千回も目にするよくあるパクリのナンセンスなゲーム」とコメント、開発元は殺害予告を含む脅迫を受けていると明かす - GIGAZINE