「みんなはげてしまうならいい。一人残らず、一本も残さずに」

 2024年1月6日、中編小説レーベル「100 min. Novella」(ハンドレッド ミニッツ ノヴェラ)の第4回配本として、芥川賞作家・高瀬隼子さんの最新作『め生える』(U-NEXT)が刊行された。

『め生える』高瀬隼子 著(U-NEXT)

 本作の舞台は、髪の毛が根こそぎ抜ける感染症が広がり、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげるようになった「平等な世界」。元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面する。

 同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった...。外見のコンプレックス、ルッキズムをテーマに、パラダイムシフトを迎えた世界を描いた異色の作品だ。

 このほか、「100 min. NOVELLA」は、約100分で読める中編小説を、1月、4月、7月、10月の年4回刊行予定。 装幀およびレーベルロゴは森敬太さんが担当している。

■高瀬隼子さんプロフィールたかせ・じゅんこ/1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞しデビュー。2022年「おいしいごはんが食べられますように」で第167回芥川賞を受賞。著書に『犬のかたちをしているもの』『水たまりで息をする』『おいしいごはんが食べられますように』『いい子のあくび』『うるさいこの音の全部』がある。

※画像提供:U-NEXT

書名:  め生える
監修・編集・著者名: 高瀬 隼子 著
出版社名: U-NEXT
出版年月日: 2024年1月 6日
定価: 990円(税込)
判型・ページ数: 四六変型判・168ページ
ISBN: 9784911106112


(BOOKウォッチ編集部)