いま、現役タイル職人にして無名の新人アーティスト、虎鷹が歌う、「そんな人生を堪能したい」が大きな話題を集めている。

同曲の“幸せなら手をたたけ!”のフレーズが、TikTokやSNSを中心にバイラルヒット。無名の新人アーティストながら、『THE FIRST TAKE』への出演が決定し、11月3日に公開されたパフォーマンス映像は12月17日時点で、70万回視聴を突破している。

虎鷹とはいったい何者なのか? 「そんな人生を堪能したい」はなぜバズったのか? この記事では、本人のコメントを交えながら、その謎や理由を解き明かしていきたい。

■タイル職人として仕事しながら、年間100本に及ぶライブ活動

・名前:虎鷹(読み:こたか)
・生年月日:1998年3月30日
・血液型:A型
・活動拠点:大阪

大阪を中心に活動する、無名の新人アーティスト・虎鷹。虎鷹のアーティスト名は、「よく芸名だと思われるんですが、本名です」と明かした虎鷹。親が“陸でも空でも、どこにいても強く生きて欲しい”という意味を込めて付けたらしいんですが、名前負けしてますね(笑)」と名前の由来について語ると、「子供の頃は、“こた”とか“こっちゃん”とか呼ばれてました」と話す。

友達の影響で17歳で音楽を始めると、作詞・作曲・編曲を自身で行うようになり、2019年頃からSNSで楽曲を公開。「子供の頃からよく親に歌わされてて、歌うことは昔から大好きでした。あの頃は“やれば売れるだろう”と、音楽のことをめちゃくちゃナメてましたね」と、軽い気持ちで音楽を始めたことを明かした虎鷹。当時、影響を受けたアーティストに玉置浩二や清水翔太を挙げたことから、個性的かつ圧倒的歌唱力への憧れが見える。

SNSでの楽曲公開と同時に、オリジナル曲を掲げてライブ活動を行うようになると、「自身の歌を聴いて泣いている人がステージから見えたことがあって。“こうして、感情を届けられる職業って素晴らしいな”と思った」という体験をキッカケに、“これを仕事にしたい!”と強く思うようになり、音楽活動に本腰を入れるようになったそう。普段はタイル職人として外壁施工等の仕事を行いながら、ライブハウスや路上などで、年間100本にも及ぶライブ活動を行っている。

仕事と音楽の両立について聞くと、「日曜日しか休みがなくて、ライブ以外の日はフルで仕事に出ている状態なので。仕事から帰って来て、寝るまでの時間を全部音楽に費やしています」と話し、「ご飯を食べる時間ももったいないので、帰りにコンビニで食べ物を買って、帰路で歩きながら食べて。帰宅後は睡眠時間を削って、制作活動をしてます」と日常を語った虎鷹。仕事中も音楽のことを考えており、浮かんだアイデアを休憩時間にまとめることもあるそうで、「仕事も行けなくなるくらい音楽活動が忙しくなって、24時間音楽のことだけ考えられるようになるのが目標です」と、現在の生活を支える仕事の重要さも理解しながら、決して現状に満足してるわけではないことを強調した。

そんな音楽と仕事と両立を続ける中で生まれた、「そんな人生を堪能したい」のライブパフォーマンスをTikTokにアップしたのは今年7月。「この曲に勇気をもらった」という反響がユーザーから続々と届くと同時に、同楽曲を使用した“幸せなら手を叩けダンス”がブームに。上ノ堀結愛や向井怜衣といったインフルエンサーによるバズ投稿も続々発生し、関連動画は2万投稿越え、1億再生に迫るバイラルヒットを記録する。

ヒットの要因として、まずは“幸せなら手を叩け”の耳馴染みのあるワードやキャッチーなメロディ、真似して踊りたくなる明るくリズミカルな曲調というのがあるが、この曲が生まれた経緯について、「日々のストレスから絞り出した部分もあるかも知れない」と虎鷹が語るように、ただ明るく楽しいハッピーソングでなく。日々の生活にある辛さやしんどさも踏まえた上で、「そんな人生を堪能したい」と明るく歌うところにこそ楽曲の真意があり、そこを感じ取り、共感したリスナーが多くいたことも、ヒットの要因となっている。