東京メトロ南北線9000系を6両から8両編成に増やす“増結用車両”が公開されました。1990年の登場から30年以上経ちますが、9000系はまだまだ製造されるようです。

9000系23編成のうち13編成を8両化へ

 東京メトロは2023年12月13日(水)、南北線の9000系に中間車2車を増結し、8両化した最初の編成(09編成)を綾瀬車両基地で公開しました。12月16日(土)から営業運行を開始する予定です。


8両化された9000系(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京メトロ南北線は長らく6両編成での運転でしたが、2022年4月から東急の車両による8両編成の運行を開始。2023年3月18日の東急・相鉄新横浜線開業後は、相鉄の車両も8両編成で乗り入れるようになっています。ただ、東京メトロの自社車両に関しては6両のままの状態が続いていました。

 南北線の9000系は1990年に登場し、現在は23編成ありますが、そのうち13編成(09〜21編成)に中間車2両を増結し、8両化する予定です。この13編成は新造の中間車を増結するだけでなく、既存の6両にも大規模修繕が施工されます。つまり、これまでに大規模修繕が施工されていなかった編成が、8両化の対象になりました。

 増結車は2021年に川崎車両で製造。同社による千代田線の16000系後期車がベースとなっています。今回公開された編成は、1995年に製造された既存の6両に増結されたため、26年もの車齢の差があります。

車内が全然違う!?

 増結車は、既存6両と外観上の差異は少ないですが、衝突対策の観点から、車端部が削り取られたような形状になっている点が特徴です。
 
 ただ、車内の印象は大きく変わりました。車内の座席モケットは、既存6両の赤系とは異なる緑系に変更。座席や貫通扉の形状もかなり異なっています。ちなみに、座席モケットの色を揃える予定はないそうです。

 東京メトロでは、製造から約24年が経過した車両に大規模修繕を施し、40〜48年程度使用する方針です。南北線で8両化に伴う大規模修繕が施される既存車には、VVVFをフルSIC(シリコンカーバイド)に、主電動機を全密閉型高効率誘導電動機に変更することで消費電力の低減を図っています。
 
 既存車両は、床材や化粧板を交換し、液晶ビジョン、防犯カメラやフリースペースが設けられました。また、座席の端にある「袖仕切り」にポリカーボネート板が取り付けられています。
 
 ただ、コスト削減の観点から、これまでの大規模修繕で行っていたドアや貫通路扉の交換は見送ったそう。座席の端にある袖仕切りは、これまでの丸ごと交換ではなく、ポリカーボネート板を取り付ける形に変更されたといいます。

 なお、2016年〜19年にかけて大規模修繕を実施した編成(01〜08編成)と、2009年に増備された編成(22・23編成)は今回、8両化の対象からは外れる形になりました。東京メトロによると、これらの車両を8両化するかどうかは未定とのこと。全編成を8両化するかどうかは、利用状況をみながら検討していくとしています。