サントリーウイスキー角瓶の品不足が、しばしば伝えられる。調べると2022年から、韓国でいわゆる「角ハイボール」の人気が高まっているそうだ。韓国国内のスーパーなどでは品薄になり、日本を旅行する観光客がお土産に買っていくとの話も聞く。これが日本市場にも影響を及ぼしているのだろうか。

J-CASTニュースBiz編集部は東京都内の酒店や免税店を回り、サントリー角瓶の現状を調べた。

在庫は豊富も「月2回の入荷では...」

東京都内のディスカウントストアを2023年11月27日に訪れると、サントリー角瓶は棚に10本ほど見つかった。別の24時間営業のスーパー売り場をのぞいてみると、こちらはずらりと「角」が並んでいた。

次に酒店を訪問。棚にぎっしりと、角瓶が詰まっていた。店員は、「今日は入荷したばかりで、在庫が豊富にあります」と答えてくれた。月半ばと月末の2度入荷があり、それ以外の時は欠品もあるという。

「これから年末と正月を迎えるので、国内需要とインバウンド需要を考えると、月2回の入荷では心配」

店員は、こう不安を語っていた。

「角ハイボール」を提供している居酒屋の店主も、取材した。「一時期よりも商品(角瓶)は入るようになったので、注文に応えられている。しかし1500〜2000円程度に値上げしているので、その分が商売的に苦しい。提供価格も上げることになった」と話してくれた。サントリーでは2023年7月1日出荷分から、希望小売価格を1590円から1910円にアップさせた。

免税店でまとめ買い

日本政府観光局が発表する2023年10月の訪日外国人は251万6500人で、19年同月比0.8%増。今年は10月まで、5か月連続で200万人を超えている。

韓国からは23年7月で62万6800人、8月は56万9100人。5月以降は50万人越えが続いている。

東京都新宿区内の酒類を扱う免税店では、「サントリー角瓶は人気があり、インバウンドでまとめ買いをしていく人もいる。現在店頭には出さずに、注文があったら出すようにしている」と明かした。年末年始の需要が増える時期は、どう対応するのか。

「問屋が商品を回してくれないと、在庫を集めることができない。問屋次第という感じですね」