[画像] ゴルフを教えるプロたちの実力日本一決定戦!PGAティーチングプロ選手権がきょう開幕

◆<第25回 PGAティーチングプロ選手権大会 新宝塚カントリーカップ2023 10月24日~25日 新宝塚カントリークラブ(兵庫県) /6485ヤード・パー71>

きょうから2日間の日程で新宝塚カントリークラブで行われる『PGAティーチングプロ選手権大会』は、アマチュアゴルファーを上達に導くエキスパートであるティーチングプロたちの実力日本一を決める大会である。120人が出場する男子の部では、優勝者に賞金100万円が贈られるが、それ以上に翌年の『日本プロゴルフ選手権大会』への出場権をモチベーションにしているプロも多い。年に一度の晴れ舞台に挑むティーイングプロたちに大会への思いを聞いた。

連覇を狙うのは練習ラウンドをしない男・小西勇輝

去年の王者・小西勇輝

 昨年のこの大会で、初出場・初優勝を飾ったのが小西勇輝だ。

PGAティーチングプロ選手権2022 男子は小西勇輝が逆転優勝!

 優勝者として出場した今年7月の『日本プロゴルフ選手権大会』での思い出を聞いてみたところ、「大学(東北福祉大)の後輩である蟬川泰果と練習ラウンドを回った時に、トーナメント仕様の深いラフからのアプローチの打ち方を教えてもらいました」と笑顔を見せた。

 国内ツアーの最高峰であるメジャー大会の1つということもあり、「(雰囲気が)ピリピリしていてすぐにはなじめなかった」と振り返りつつも、「初日のフェアウェイキープ率が出場選手143人中で14位タイだったことは自信になった」と、手ごたえもつかんだようだ。

 連覇を狙う今回の大会だが、「嫌なイメージを持ちたくないから」と、練習ラウンドをしていないことをサラリと告白。驚く筆者に対し、「実は去年も(練習ラウンドは)していない。もっと言うと、去年は1次、2次の予選でもしていない」と、さらに驚愕の事実を明かしてくれた。

 「1つのホールに集中すると他がおろそかになるので、気持ちが上下しないように、まんべんなく集中したい。連覇はもちろん目指しているし、自信もある」と意気込みを語るディフェンディングチャンピオンは、「初日は練習ラウンドの気持ちで気楽にラウンドするのが自分には合っている」と、きょうの第1ラウンドにも自然体で挑む。

夢をかなえた長内雄太良が挑む次の挑戦

33歳でプロテストに合格した長内雄太良

 出場選手の中には、プロテストを突破してTP(トーナメントプレーヤー)の資格を持っているプロも多い。今年8月に登別カントリー倶楽部(北海道)で行われた最終プロテストに合格した選手が今回は3人出場しているが、その中の1人である長内雄太良に話を聞いた。

 横田真一、片山晋呉、宮本勝昌などのプロゴルファーを輩出した、茨城の名門・水城高校ゴルフ部出身の長内。2年前にティーチングプロの資格は取得していたが、33歳になった今年のプロテストで、念願のTP資格を手に入れた。

 プロテストに挑戦すること13回。「合格は本当に嬉しかった。諦めが悪かったのが良かった」と、冗談を交えながら語ってくれた。

 この大会は、2年ぶり2度目の出場。新宝塚カントリークラブは、練習ラウンドで初めてプレーした。「グリーンはアンジュレーションがあって固い。フェアウェイも狙いどころが狭いので、イメージ的には難しい」とこぼすが、プロテストを突破した今回は、「やっぱり優勝して日本プロに出たい」というモチベーションをかきたてる目標がある。

 「やっとスタートラインに立てただけ。まだ挑戦の途中」と前を向く33歳が目指すのは、もちろん優勝だ。

抜群の知名度を誇る菅原大地&関雅史

注目度はピカイチの菅原大地(左)と関雅史

 最後に、出場する120人の中で抜群の知名度を誇る2人にも、今大会にかける思いを聞いた。まずは、自身のYouTubeチャンネルの登録者数が約43万人という菅原大地だ。

 横浜を拠点に、1週間で約100人のレッスンを行いながら、週5~6回のYouTubeでのコンテンツ更新をこなすという菅原にとって、この大会は「技術向上という点で最も大事にしている大会。ゴルフの上達を目指すモチベーションになっている」と話す。

 人気ティーチングプロゆえに結果についても注目をされてしまうことについては、「あえて注目を浴びにいっているところもある」と苦笑いしつつも、「多くのレッスン生やYouTubeを見てくれている人たちのためにも、優勝して日本プロに出たい。パター合戦になると思うので、そこで負けないようにしたい」と表情を引き締めた。

 一方、3年ぶりの本戦出場となったのが関雅史。「キューピー」という愛称で、クラブフィッターとしても多くのメディアで活躍する関にとってこの大会は、「技術の研鑽のために、この大会にだけは出ようと決めている。ほぼライフワーク」だと言う。

 2年連続で開催コースとなった新宝塚カントリークラブの印象を聞くと、「グリーンがトーナメント仕様で、固いし、速いし、止まらない。でも嫌いじゃない」とニヤリ。「実は去年も本戦に出るつもりで、2次予選前に関西の友人と練習ラウンドをしていたら予選で落ちちゃったから対策はバッチリ」と、らしさ全開のコメントで笑わせた。

 この大会では、2008年の第10回大会で3位タイに入ったこともあるが、現在49歳で来年はシニアの年代になる。

 「来年はシニアツアーの予選会に出ようと思っているし、この大会もシニアに出ようと思っている。今年がラストのつもりで、楽しみながら結果も出したい」と、最後は真剣な表情で意気込みを話してくれた。

 120人のティーチングプロがゴルフの腕前を競うPGAティーチングプロ選手権・決勝ラウンドの模様は、10月25日午前7時15分から、UUUM GOLF(https://youtube.com/live/6iyZ48BTlzU)で配信予定。ティーチングプロたちのプライドをかけた戦いを、ぜひライブ観戦してほしい。