週末には混雑必須のSA・PAだけど…なぜ立体駐車場は採用されない?

 週末や大型連休ともなると、サービスエリアパーキングエリアで駐車するのが難しくなりがちです。
 
 しかし、混雑が予想されるにもかかわらず、駐車場は平置き型がほとんど。
 
 なぜ、多くのクルマが収容できる立体駐車場が採用されないのでしょうか。

なぜ高速道路のサービスエリア&パーキングエリアは立体駐車場化されないのか?(画像提供:NEXCO東日本)

 トイレ休憩や給油だけでなく、ご当地グルメやお土産が買えたり、ときには温泉に浸かれたりと、さまざまなサービスがあるサービスエリアとパーキングエリア。

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 駐車場についても同じく、クルマを停めたらすぐに施設が利用できる造りです。もちろん、車高や車幅のサイズを問わずあらゆる車種のクルマを駐車できます。

 しかし、サービスエリアとパーキングエリアのほとんどの駐車場が平置きタイプになっています。

 スペースが限られている場所であれば立体駐車場を採用するのが合理的であると考えられます。これには何か理由があるのでしょうか。

 NEXCO東日本の担当者は「平置き駐車場の採用については、建設費用・維持管理費用・休憩施設の利用面等の観点より総合的に判断しております」と話しています。

 費用面においては、平置き駐車場のほうが立体駐車場より圧倒的に低く抑えられるのです。

 つまり、立体駐車場を採用する場合は、建設費用がかかるほか、数年後の改修費や撤去時の費用もみておかなくてはなりません。また、定期的にメンテナンス費も発生します。

 加えて、バリアフリーサービスのために新たにエレベーターなどを設置する必要もでてきます。こうした費用はかなり高額です。

 一方で、例外的に立体駐車場を採用しているパーキングエリアもあります。

 例えば、東京湾を横断するアクアラインの「海ほたるパーキングエリア」では、大型車は1階、千葉県方面からのクルマは2階、神奈川県方面からは3階へと誘導されます。

 これは、海ホタルが海に浮かぶ人工島だからこそ採用された駐車場の形式です。

 今後は、こうした特殊な状況下で立体駐車場が検討されることがあるかもしれません。

サービスエリア/パーキングエリアの駐車場に空きがなかったら…どうする?

 トイレのために立ち寄ったところが駐車スペースを見つけられず、やむなく次のサービスエリアやパーキングエリアへ向かったという経験をした人もいるのではないでしょうか。

 帰省や行楽シーズンは利用者が増えることから、駐車が難しくなります。

 それでは、駐車場が混んでいてクルマを停められなかった場合、どうすればいいのでしょうか。

 前出のNEXCO東日本の担当者は「満車の場合には、恐れ入りますが次のサービスエリアやパーキングエリアに向かっていただく形となります」と話します。

 空きマスを見つけるためにほかの区間へ移動したり、駐車場の入り口まで戻る行為は逆走とみなされます。

 さらに、空きマスを探そうと場内をぐるぐる回るうちに、事故につながる可能性も高まります。

東京湾に浮かぶ「海ほたるパーキングエリア」は立体駐車場となっている(写真提供:NEXCO東日本)

 そのため、すみやかに進行方向を示す矢印表示に従って出口へ向かうことが安全です。

 スムーズに駐車場を利用するためには、前もって混雑状況を把握しておくといいかもしれません。

 混雑情報は、高速道路上の電光掲示板に表示されています。また、ライブカメラで駐車場状況を確認できるウェブサイトもあるので利用するのもひとつの手です。

※ ※ ※

 サービスエリアやパーキングエリアの駐車場は費用面や安全面を考慮して、平置きの形式となっています。

 しかし、立体駐車場に比べて駐車マスの少ない平置き駐車場は混雑しやすいという側面もあります。

 そのため、事前に駐車場の空き状況を確認しておくといいかもしれません。