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 レオナルド・ボヌッチが長年在籍し、そしてこの夏をもって退団した、ユベントス・トリノを提訴すると複数のメディアが一斉に報じた。だが仮に今回ボヌッチ側が勝訴したとしても、その利益を手にするのは決して、ボヌッチ本人ではない。

 この夏ユベントスとボヌッチの間では、大きな摩擦が生じていた。シーズンを終えて夏季休暇を過ごしていた頃、ボヌッチの下にクラブ側からの連絡が入り、これからは戦力外の選手たちと共にチームから離れ練習を行うよう伝えられたという。しかも時間帯は夕方でコーチンングメンバーとの接触もなく、さらにトレーニングジムやクラブ施設の一部立ち入りさえ禁止されたとのこと。つまりは財政難に喘ぐユベントス側としては、かつて主将を務めた功労者に対して、支払っている高額なサラリーをどうしても削減したく、移籍を強要する策にでていたのだ。

 そのため伝統的なセカンドチームとのシーズンオープニングイベントマッチも、ボヌッチは自腹で入場チケットを買うところにまで発展していたようだ。そして最終的に36歳のイタリア代表CBはこの夏、1.FCウニオン・ベルリンに移籍することを決断。クラブ史上初となるCLに臨むクラブに、これまで84度にわたりその大会に出場してきた欧州王者の経験がもたらされることだろう。

 さらにボヌッチは未来の選手たちに対しても、今回で自身が味わったようなトレーニングにおける環境の悪さと、選手に対するイメージダウンなどについて公に訴えることで、同じことが繰り返されないようになることを望んでおり、仮に勝訴して賠償金を手にした場合には、それもイタリアの2つの慈善団体に寄付される予定となっている。

ウニオン、CLレアル戦前に朗報。トゥサールとベッカーが今週にも復帰か

 3日間の休養日を挟んで月曜日から再始動した、1.FCウニオン・ベルリン。そこには8人の選手たちが代表参加で不在というなかで負傷組、ダビド・ダトロ・フォファナ(負荷調整)、ラニ・ケディラ(ふくらはぎ負傷)、アンドラス・シェファー(中足骨骨折)、ローレンツ・デール(膝負傷)らは室内での調整を行なっていた。加えてヤニック・シュタインがASモナコU21との試合で下部チームに借り出されていたこともあり、この日の練習場には15人が登場。

 そしてリュカ・トゥサールが元気にフルメニューをこなす姿が見受けられている。どうやら今週末のリーグ戦より、今シーズンはじめてメンバー入りを果たすことができそうだ。加えてシェラルド・ベッカーについても、対人戦参加は見送られたがチーム練習に加わっており、今回、もしくはCLレアル戦からジョーカー起用の可能性もあるだろう。