熊本県中央区のマクドナルド下通店の清掃クルーとして23年勤務している本田民子さん(90歳)。女性の中では最高齢と言います。朝7時半〜10時半勤務で週5日、元気に働く本田さんにその秘訣を伺いました。

90歳、働くことが生き甲斐。本田さんの1日の流れ

朝、マクドナルド熊本下通店の前では、元気に掃除をする本田さんに姿があります

【写真】仕事中の90歳現役マクドナルドクルー・本田さん

「周りのクルーの方々やお客さんに支えられ、毎日元気でいられています。階段の上り下りもしますし、日々いろんな方とお会いできるので、出勤することで健康を保てるのだと思います。一度、転んでしまって病院に行ったとき、医師から『90歳で働くのはあなただけですよ』なんて言われたこともありますよ(笑)」

本田さんは、地元の私立の大学で清掃の仕事を定年退職した23年前、67歳のときにマクドナルドで勤務するように。当時から、休むことなく週5日の勤務を続けていたと言います。

「今もほぼほぼ休むことはありません。やっぱり人とかかわって生きることは、とても大切だと思っています。周囲には亡くなったお友達もいますが、ここに来ればいろんな世代の方とお会いできる。心がやすらぐんです」

●家に帰ると、仏壇に毎日「感謝」を伝えて

週5日、通勤しているという本田さん。そのほかの過ごし方など、1日の流れを教えてもらいました。

【本田さんの1日】

4時 起床。2時間ほど家で身の回りのことを行う

6時10分 出勤。バスを乗り継いで勤務先へ

7時半 業務スタート

10時半 退勤。街をぶらぶらする

12時過ぎ 昼食

日中 趣味の菜園など

18時半 夕食

22時過ぎ 就寝

通勤をルーティンにすることで、暮らしにメリハリが出ているという本田さん。仕事以外、どのように過ごしているのでしょうか?

「自宅には庭がありますので、野菜を育てることが好きですね。それ以外は、テレビを観ることが多く、いろいろな情報を吸収していますね。毎日欠かさずしていることは、仏壇に手を合わせることです。仕事から帰ってきたら、『無事に帰りました。ありがとうございます』と、寝る前にもしっかり挨拶をします。やっぱり私がこうしていられるのも、仏様や家族、そして会社のおかげでもあります。人は、ひとりじゃ生きられないから、こういった恵まれた環境には日々感謝をしています」

●家でゆっくりしているより仕事をしたい

自分でできることは、なるべく人の手を借りずに自分で行うのが本田さんのこだわりでもあります。

「孫嫁がバランスを考えて食事をつくってくれますし、ひ孫もとても慕ってくれる。家族に支えられ、とてもありがたいです。それでも、自分のことはなるべく自分でやるのが大切。先日、熊本がとても大雨に見舞われました。そんな日に家族からは『休んだら』って言われたんですが、私はやっぱり働くことが生き甲斐なので、しっかりバス停まで行ってマックまで通勤しました。家でゆっくりするより、働いていたほうが自分に合っていますね」

今日も元気にマクドナルドに勤務する本田さん。本人が思っている以上に、私たちのほうが元気をもらえているのかもしれません。