Treeherderは、Mozillaの開発するソフトウェアのテスト結果や、ウェブサービスや外部ツールで取り込んだデータを抽出・加工するETL機能などを有するウェブサイトです。このTreeherderに、Google ChromeとFirefoxのベンチマークテスト結果をまとめたデータが公開されました。これによると、FirefoxはChromeよりも高いスコアを出している、つまりは高速なブラウジングが可能なブラウザということのようです。

Perfherder

https://treeherder.mozilla.org/perfherder/graphs?timerange=31536000&series=mozilla-central,3735773,1,13&series=mozilla-central,3412459,1,13



Firefox has surpassed Chrome on Speedometer | Hacker News

https://news.ycombinator.com/item?id=36770883



Speedometerはブラウザの応答時間を計測するためのベンチマークツールです。このSpeedometerを測定された、Google ChromeとFirefoxのベンチマークスコアを比較するデータがTreeherderに公開されました。

以下がChrome(紺色)とFirefox(水色)のベンチマークスコアを比較したグラフで、縦軸がスコア(高いほど優れている、つまり応答時間が速い)、横軸がテストしたタイミングを示しています。データは2022年6月頃から存在しており、当初は圧倒的にChromeの方が優れたスコアをたたき出していたのですが、2023年7月頃になってついにFirefoxがChromeをスコアで上回ったことがわかります。



これについて、ソーシャルニュースサイトのHacker News上では「Firefoxの方がChromium(ベースのブラウザ)よりもはるかに遅く感じる時期がありましたが、ここ数年はFirefoxの方が遅いにしてもほとんど気にならない程度の差になってきていると感じていました。遅いのにFirefoxを利用する理由は、明らかに優れた機能や高負荷でも優れたパフォーマンスを提供できるブラウザだからです。しかし、今回のベンチマーク結果でChromiumがFirefoxよりも優れているという幻想は過去のものとなってしまいました」のような、これまでFirefoxを利用してきたユーザーからの歓喜のコメントが寄せられていました。

また、特定の拡張機能を利用するためにFirefoxを利用しているユーザーの「Chromeの速度が遅いので、数年前にChromeからFirefoxに乗り換えました。特に多くのタブを開いている場合、Chromeでタブを切り替えると真っ白な画面が2秒間ほど表示されることがあります。私がFirefoxを使い続けているのは、パフォーマンスではなく拡張機能のTree Style Tabのためでした。この拡張機能なしで10個以上のタブを開くことは想像できませんでした」といったコメントや、Firefoxのセキュリティに信頼を寄せるユーザーからの「コンテナやパスワード保存機能があるためFirefoxを利用し続けてきました。たまにChromeを利用しなければいけない時、パスワードの自動入力が拒否されて疲れ果ててしまいます」といったコメントもありました。

なお、Speedometerは以下から無料で利用可能です。

Speedometer 2.0

https://browserbench.org/Speedometer2.0/