忙しいとき、ちょっと小腹が空いたとき。どんなときでも、ストックしておくと便利なカップ麺。普段からよく食べているという方も多いのでは?ところで、みなさんはカップ麺を食べた後に残った汁をどのように片付けていますか?編集部で調査したところ、シンクに流す、トイレに捨ててるという回答が!でも、本当にその捨て方でいいの?ということで、掃除研究家の“おそうじペコさん”に、カップ麺の汁の正しい捨て方を聞きました。

シンクに流しても良い?


――カップ麺の汁をシンクに流しても良いですか?

ダメです!絶対にだめです!

――そうですよね……。では、その理由を教えてください。

私の姉の話になるのですが、子育てが忙しくて隙間時間に自分はカップ麺を食べるという生活をしていた時期があります。食べ残した汁をシンクに流していたところ、排水菅が詰まって業者を呼んで修理をしてもらうということが起きました。

ラーメンの汁って油分がすごいです。それをシンクに流すと、どんなに掃除をしたつもりでも、排水菅の中に油が残り、それがどんどん詰まりになるんです。
冬場は排水管の中の油分が冷えて固まり、次に流したものがさらにその上に重なっていきます。その結果、排水管が詰まってしまいます。

――カップ麺の汁で業者さんを呼ぶ事態になるんですね。

マンションの場合、1年に1度は高圧洗浄のメンテナンスがあると思います。この洗浄で、詰まりなどのケアをしているんです。ただ、戸建てやアパートなどは、自分でメンテナンス管理をするか、何かが起こらない限り業者さんを呼ぶことはないと思います。そうなってからでは、お金もかかるし大変です。

トイレに流すのはOK?


――シンクに流すのはダメだということはわかりました。では、カップ麺の汁をトイレに流して良いですか?

もちろん、ダメです。

――ダメですか……。でも、トイレってなんでも流しても大丈夫と思っている方も多そうですよね。

トイレは、油っぽいものを流すことを前提していません。流して良いのは尿・便・トイレットペーパーだけです。そこに、食品とは言え、油っぽい消化されていない固形物を流してしまうと、シンクと同じく油分でトイレが詰まる恐れがあり、最悪の場合、逆流が起こります。この逆流で、お家が悲惨なことになるのは想像できますよね……。

――確かに、油分が付く分掃除も大変になりそうです。

カップ麵の汁を捨てて、油分を取り除くことを前提としたトイレ掃除をするなんて本末転倒な話です。共同住宅の場合、トイレが詰まると、他のお家にも迷惑がかかってしまうので、トイレにカップ麺の汁を捨てているという方は、この記事を読んだことを機にやめていただければと思います。

正しいカップ麵の汁の捨て方


――では、正しいカップ麺の汁の捨て方を教えてください。

姉の家の排水菅が詰まってしまってから、我が家でやっているカップ麺の汁の捨て方をご紹介します。

ビニール袋にクシャクシャっと丸めた紙を入れ、そこに残った汁を入れてビニールの口を縛り捨てます。

この時に使う紙は、古新聞でOK!新聞をとっていないという場合は、無地の新聞紙がAmazonなどで買えるのでチェックしてみてください。私は、ネットで買い物したときなどに緩衝材としてついてくる紙を畳んでおいて使っています。ビニール袋も、捨てるだけなので食パンの袋や野菜の袋を取っておいて活用しています。こういう袋は意外と丈夫で使い勝手が良いんです。この袋は燃えるゴミとして出します。

そして、もう1つの方法としては、高吸水性ポリマーを使って、残った汁をゼリー状にして捨てる方法です。

残った汁ものをゼリーにするというのは、キャンプに行く人たちの間でよく使われている捨て方ルールだと聞いたことがあります。

通常サイズのカップ麺で試したところ、小さじ1杯で固まりました。そのまま燃えるゴミとして捨てられるのでとても便利。この高吸水性ポリマーは、災害時にもトイレ代わり使えるアイテムなので、おうちに1つ置いておくこともおすすめです。

――最後に、お掃除のプロとして、排水溝をきれいに保つことの大切さについて教えてください。

私の母は、排水溝が汚れることを嫌い、真水以外は決して流さない人でした。そんな母を見て育ったので、できるだけそのように生活しています。これまで、シンクやトイレにカップ麵の汁を流していたという方は、今日からそれはやめていただいて、今回お伝えした捨て方に挑戦してみてください。シンクは、食べ物を扱う場でもあるので、汚れが溜まればコバエが増えたり、臭いが出たりして不衛生ですよね。

3日に1度で良いので、排水口を開けてスポンジで洗ったり、古くなった歯ブラシで排水溝の汚れを取るなどの習慣をつけることで、気持ちよくキッチンが使えるし、水回りをきれいにすることで気力もアップし、金運も上がるかもしれません(笑)。

集合住宅の場合は、その使い方次第で他のお部屋にも迷惑がかかってしまうと考えたら、自分の家のことだけではないという責任感が出てくるのではないでしょうか。
油を流さなければ、排水溝や排水管がそこまで汚れるということはないので、まずは流さない!というところからスタートしてみてください。

(TEXT:山田かほり)

※ゴミの捨て方は自治体によって異なります。お住まいの地区のルールに従ってゴミを捨てましょう

画像提供:Adobe Stock

取材協力


おそうじペコ


掃除研究家。資格等「ハウスキーピングコーディネーター2級」「掃除能力検定士5級」主な著作物「暮らしを楽しむお掃除エッセンス」「魔法の1分そうじ」「お掃除やる気スイッチ」「ゆるく身につく家事のきほん」等。SNS、メディアを通じて掃除に関する情報を発信しています。日々、暮らしに役立つ掃除術について探求中。

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