著作権で保護された音楽を含む投稿を放置し、クリエイターに損害を与える著作権侵害行為を助長したとして、全米音楽出版社協会(NMPA)がTwitterを訴えました。訴状では、約1700の作品に対する数十万件の侵害行為に対し、合計2億5000万ドル(約350億円)の損害賠償を求めています。

Music publishers sue Twitter for $250m+ alleging ‘rampant infringement of copyrighted music’ - Music Business Worldwide

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ソニー・ミュージックパブリッシングやユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループなど17社を代表してテネシー州連邦裁判所に訴状を提出したNMPAは、Twitterがユーザーの投稿した著作権侵害コンテンツを放置し、問題のあるコンテンツをホストおよびストリーミングし、著作権の侵害を続けるユーザーに目をつぶってプラットフォームの利用を続けさせている点を問題視しています。

Twitterは2022年11月にCEOが代わりましたが、Twitterの著作権侵害はかつて創業者のジャック・ドーシー氏がCEOを務めていたころから指摘されてきました。

NMPAによると、Twitterと競合するFacebookやInstagram、TikTokなどの企業は大手音楽会社とのライセンス契約を結んでおり、著作権侵害に対処する姿勢を見せ続けていたとのこと。一方、Twitterはドーシー氏の時代からライセンス契約の締結という重要な取り決めを無視し、CEOがイーロン・マスク氏に代わってもその姿勢は変わらなかったとNMPAは主張しました。



2021年には超党派の議員グループがドーシー氏に書簡を送り、Twitterが音楽のライセンス契約をしかるべき機間と結んでいないことについて対処するよう要求しています。マスク氏の買収前にTwitterは3大レコード会社とライセンス契約を結ぶことを検討したと報じられていましたが、マスク氏の買収後にその話は停滞し、今回の訴訟に至るまでうやむやにされてきたとのこと。

NMPAは2021年12月から週単位でTwitterに著作権侵害通知を送り始めており、その数は2023年6月の訴訟までに合計30万件に上ると伝えられています。

NMPAは「Twitterは毎日何十億人もの人々が音楽を流出させ、ストリーミングしている事実を十分に把握しています。ソングライターや音楽出版社への支払いを拒否することはもはやできません」と述べました。