さいたま市の大宮駅北側にある巨大な「桜木駐車場」。長期間にわたって暫定利用が続いていますが、本格的な土地活用に向けて動き出しました。何ができるのでしょうか。

長期間駐車場として「暫定利用」が続く

 さいたま市の大宮駅北側にある巨大な敷地。この場所は現在、市営の「桜木駐車場」として利用されていますが、それはあくまで暫定的な措置で、長期間にわたって「塩漬け」となる状態が続いてきました。ただ、ついに本格的な土地活用に向けた動きがありました。今後はどうなるのでしょうか。


大宮駅北側の桜木駐車場(画像:さいたま市)。

「桜木駐車場」の面積は約2.7ヘクタール。大宮駅西口から約500メートルの距離にあり、JR東日本の車両検査などを行う大宮総合車両センターの真向かいに位置しています。元は国鉄病院がありましたが、JR発足後に閉院。跡地を旧大宮市が複合施設を整備するための用地として国鉄清算事業団から購入した経緯があります。その後、長らく駐車場として利用されてきたものの、利用台数は近年減少傾向にあるそうです。

 さいたま市は当初、ここに国際会議場などのMICE施設を誘致する予定でしたが、財政面や周辺環境整備などの課題があったため、いったん計画を見直したといいます。その後、MICE施設に用途を限定せず、「東日本の対流拠点形成」に貢献する土地活用を目指す方針としました。

市が用地活用の事業者を公募

 市は2023年1月、桜木駐車場用地を活用する事業者を選定するため、公募型プロポーザルの募集要項を公表しました。今後は2023年10月頃に優先交渉権者を決定し、同年12月頃に基本協定を締結したうえで、2024年4月に用地を引き渡す予定です。
 
 土地活用の対象となるのは、約2.7ヘクタールのうち約1.8ヘクタールで、残りは広場などが整備される予定。市と事業者の間で定期借地権設定契約を締結し、対象敷地を貸し付ける形となります。
 
 市は導入機能の例として「商業やアミューズメントなどの広域集客施設」「教育・研究施設」「MICE施設」「文化・芸術施設」「ビジネス支援施設」などをあげています。さらに地域貢献機能の導入、周辺道路に負荷をかけない対策も求めるとしています。
 
 果たして広大な駐車場に何ができるのか、年内には明らかになりそうですが、土地活用の行方は注目を集めそうです。