昨年の雪辱、果たす・鹿児島城西鹿児島城西の得点シーン
<春季九州高校野球鹿児島県大会:鹿児島城西12−5鹿屋中央(7回コールド)>◇3日◇準決勝◇平和リース
鹿児島城西と鹿屋中央は昨夏、昨秋と続けて対戦し、いずれも鹿屋中央が勝利している。中でも昨秋は同じ準決勝で顔を合わせ、6回表まで6対0と鹿児島城西がコールドペースで試合を進めていたが、鹿屋中央が6回裏に集中打で9点を奪い逆転勝利した。鹿児島城西にとっては3度目の正直をかけた雪辱戦だった。
先制したのは鹿児島城西。3回2死から1番・山室 天魁(3年)、2番・濱田 陵輔(3年)の連続三塁打で先手をとった。
鹿屋中央は4回裏、先頭の2番・大坂 塁(3年)が初球を豪快に右翼席に運んで同点。さらに1死二、三塁と好機を作って6番・豊重 伶王(3年)の犠飛で逆転に成功した。
5回表、鹿児島城西は押し出しで同点とするも、その裏、鹿屋中央は2死から四球で出塁した1番・村山 源(3年)が二盗を決め、悪送球で三塁まで進み、暴投で生還して再び勝ち越した。
中盤まではがっぷり四つに組んだ展開だったが7回に一気に試合が動く。
鹿児島城西は死球を足掛かりに、連打を浴びせ、2番・濱田の適時打で同点。3番・明瀬 諒介(3年)の中前適時打で再度リードを奪った。今大会、ここまで徹底マークでなかなか本来の打撃ができていなかった主砲・明瀬が二塁手のグラブを弾いて中前に抜ける強襲適時打を放ったことで、鹿児島城西打線が俄然勢いづく。
満塁から三ゴロも本塁悪送球で更に得点を重ねると、9番・田畑 諒太郎(3年)が適時打を浴びせた。締めくくりはこの回2度目の打席が回ってきた3番・明瀬が特大の中越え二塁打を放った。気がつけば打者15人で10得点。昨秋の鹿屋中央の1イニング9得点を上回る得点で一気に勝機を手繰り寄せた。
その裏、鹿屋中央は1死満塁から併殺崩れ、エラーで2点を返し、何とかコールドを阻止して9回まで粘りたかったが、4番手でリリーフした明瀬に三振で打ち取られた。鹿児島城西が昨夏、秋の雪辱を果たすコールド勝ちで決勝進出を勝ち取った。
(取材=政 純一郎)