職務質問されやすいクルマ」ってある?

 クルマで走っているときや、クルマを駐車場に停めて休憩している際などに、警察官から職務質問を受けたことがある人もいるかもしれません。
 
 では、「職務質問されやすいクルマ」というのは存在するのでしょうか。

「職質されやすい車」何か特徴はある?

 職務質問されやすいクルマについてSNSでは、「県外ナンバーや黒塗りの高級車だと職質されやすい」「クルマがボコボコだと警察官に声をかけられる」といった声が上がっています。

【画像】これが見えたら注意! どんな覆面パトカーがいるか画像で見る(29枚)

 そもそも警察官は、警察官職務執行法第2条にのっとって職務質問をおこないます。

 同法第2条第1項では、以下のように定められています。

「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪がおこなわれようとしていることについて知っていると認められる者を停止させて質問することができる」

 簡単にいうと、職務質問は警察官から見て挙動不審である、何か罪を犯した可能性があると感じた人物などに声をかけて質問する行為です。

 職務質問を受ける人の多くは善良な市民であるものの、なかには違法薬物を持っていたり、目撃された犯人と見た目が似ていたため声をかけたところ事件の犯人だったというケースもあります。

 では、職務質問されやすいクルマというのはあるのでしょうか。

 結論からいうと、特定のクルマが職務質問をされやすいということはありません。

 なぜなら、警察官はクルマ自体というよりも、運転手の挙動や運転方法、クルマに異常がないかなどに注目しているためです。

 たとえば、クルマの運転手がパトカーを見ていきなり進路を変えれば不審だと思われる可能性が高く、またフラフラと運転していたり、やたら大回りで曲がるなどの状況があれば飲酒運転を疑われる可能性があるでしょう。

 さらに、クルマのテールランプが切れている、フロントガラスに濃いスモークフィルムが貼られているなど整備不良やクルマの違法改造の疑いがあれば警察が声をかけることもあります。

「県外ナンバーだと職務質問をされやすい」というウワサに関しては、県外から来て不慣れな道を走っていた、道に迷っていたなどの理由により不安定な運転となり、警察から声をかけられた可能性があると考えられます。

 また「ボコボコのクルマは声をかけられやすい」という意見についても、クルマに傷が付いていれば交通事故のおそれがあるため警察官が確認のために職務質問をするケースがあるといえるでしょう。

 そのほか、大型商業施設や公園などの駐車場にクルマを停めて休憩をしていると警察官から職務質問される場合があります。

 夜間であれば防犯パトロールの一環として声をかけることも多いほか、駐車場の管理者や近隣住民からの「普段見ないクルマが駐車している」といった通報を受けて職務質問をすることもあります。

 たとえば山梨県警察のホームページにおいても、見慣れないクルマが長時間駐車している、車内に男が一人で時間待ちしているなどの不審点があれば警察に通報するよう呼びかけています。

※ ※ ※

 警察官はパトロールの際、運転手の挙動や運転方法、クルマの異常な点などに着目しており、特定のクルマが職務質問を受けやすいというわけではありません。

 警察官から職務質問を受けないためには、日頃から安全運転とクルマの点検整備を心がけると良いでしょう。