チョコレートブランド「M&M's」のマスコットキャラクターである「スポークスキャンディ」が、アメリカにおけるマーケティングおよびブランディングから無期限で撤退することになったことが明らかになりました。スポークスキャンディがアメリカ以外の国や地域におけるマーケティングおよびブランディングでどのように扱われることとなるのかは不明です。

M&M’s ‘spokescandies’ controversy, explained - Polygon

https://www.polygon.com/23567793/m-and-m-spokescandies-controversy-explained-shoe-change-green-tucker-carlson

2023年1月23日、M&M'sは公式Twitterを更新して「アメリカよ、話をしましょう。この1年間、我々は愛すべきスポークスキャンディに関するいくつかの変更を加えてきました。この変更には誰も気づいていなかったかもしれません。ネットで話題になるとも思っていませんでした。しかし今、我々は『お菓子のキャラクターが靴を履いている』というだけで顧客の皆さんが偏見を持つ可能性があるということを理解しました。M&M'sは人々をひとつにすることを大切にしているので、偏見を持たれることは我々が一番避けたいことでした。そこで、我々はスポークスキャンディを無期限で休止とすることにしました。その代わりに、アメリカ人が納得できる新しい広告塔を紹介します。それが、愛すべきマーヤ・ルドルフさんです。ルドルフさんは誰もが自分らしさを感じられる世界を作るために、楽しさの力を支持してくれると確信しています」というメッセージを投稿しました。





スポークスキャンディがM&M'sのマスコットキャラクターを実質クビになったことを知らせる上記のツイートは、記事作成時点で1万7000件以上リツイートされており、4万件以上のいいねを集めています。

M&M'sの販売元であるマースは、2022年に「よりダイナミックで進歩的な世界」に適合させるためのイニシアチブを発表し、これに合わせてスポークスキャンディの一部の見た目をアップグレードしました。

M&M'S: For All Funkind - YouTube

このアップグレードで特に注目を集めたのが、グリーンおよびブラウンのセクシーさを弱めるようにキャラクターデザインに小さな変更が加えられたことでした。

例えば、アップデート前のグリーンは大量のまつげと長い足が特徴的で、高いヒールのブーツを履いています。





しかし、アップデート後のグリーンはまつげの量が少なくなり足も短くなっており、靴もスニーカーに履き替えているのがわかります。





この変化はフェミニストの活動家や極右の保守派からの批判を集めることとなりました。実際、2022年1月にはアメリカの保守派政治コメンテーターのタッカー・カールソン氏がFOXニュースの中でスポークスキャンディのキャラクターデザインの変更について批判しています。





その後もカールソン氏はスポークスキャンディのキャラクターデザインを批判しており、2023年1月に入ってからはTikTok上で「カールソン氏がスポークスキャンディを批判する音声を利用した動画」が多数投稿されるようになっていました。なお、著名人による批判や、ソーシャルメディア上での批判動画の流行がスポークスキャンディのクビにつながったかどうかは不明です。

スポークスキャンディに代わってM&M'sのイメージキャラクターとして活動することになったコメディアンのルドルフ氏は、「私はM&M'sの生涯にわたる愛好家で、このような伝説的なブランドのキャンペーンに参加するよう依頼されたことをとても光栄に思います」とコメントしています。