カタールW杯

 サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は1日(日本時間2日)、E組の日本がスペインに2-1で逆転勝ちし、決勝トーナメント(T)進出を決めた。1-1の後半6分に田中碧が2点目を入れた場面ついて、直前にゴールラインを越えていたのではないかと海外で論争に発展。結局、FIFAはゴールを認める公式見解を示したが、その発表前には海外OBから「8000万のドイツ人が激怒」などと辛辣な声が上がっていた。

 後半6分、右サイドから堂安律のクロスがファーに流れたが、三笘薫がライン際から折り返し、最後は田中が押し込んだ。三笘の折り返しがゴールラインを割っていたかどうかVAR判定に。接地面がラインを越えていても、ボール自体が空間上のラインにかかっていればインプレーとなるため、ゴールに認定された。
l
 英紙「インデペンデント」は、「『何か不都合なことが起こっている』――VARが日本のゴールを認めたことにグレアム・スーネスが疑問の声」の見出しを打ち、日本時間2日午後5時半過ぎに記事を掲載。英テレビ局「ITV」の解説者で元スコットランド代表MFのスーネス氏は、疑問を呈したという。

「8000万人のドイツ人が今、激怒しています。ボールが出ていないと示す画像を待っています。全てのテレビスタジオ、解説者が画像を見たいと思っています。なぜ、FIFAはこれだけ議論を呼び、またドイツにとって非常に高くつくものを私たちに見せないのでしょうか? なぜ見せてくれないのか?」

 スーネス氏は続けている。

「問題の場面からもう1時間ぐらい経ちます。結論づけた画像を提供しない時間が長くなればなるほど、何か不都合なことが起こっているのでは、と考えてしまいます」

元イングランド代表DF「私は陰謀論は信じません」

 この時点ではFIFAは判定の根拠となった映像、画像を公開していなかった。その後、国内外のメディアは、上空から捉えたゴール認定の決定的証拠となる画像を紹介。ギリギリでラインに触れているようで、日本では「三笘の1ミリ」などと話題になった。さらに日本時間2日深夜にFIFA公式ツイッターが証拠となる動画を公開。「ボールは完全には外に出ていなかった」と検証結果を示した。

 一方、公式見解が出る前のインデペンデントの記事では「試合後に違った見解を話した」と、同局で解説を務める元イングランド代表DFガリー・ネビル氏の言葉を紹介。「私は陰謀論は信じません」とし、不満を漏らしていた。

「この大会ではそれ(VAR)をちゃんと見せていないだけだと思います。第1戦(エクアドル対カタール)の最初のオフサイドから、適切なアングルを見せてもらえないことに不安を感じていました。うまくいっていないと感じます」

 日本は5日(日本時間6日)に決勝T1回戦でクロアチアと対戦する。

(THE ANSWER編集部)