――傷を背負ってというのは、一護の視点かなと。
キタニ:もちろんそれもあります。でも一護が代表してはいるけど、きっといろんなキャラクターについても言えることなんです。何かを背負って死んでいった仲間のことかもしれないし、自分が恐れることかもしれない。それを全部ひっくるめて背負って行く。例え作中で描かれていなかったとしても、『BLEACH』に出てくる人は誰もがそういうものを背負っているんです。きっとそれが『BLEACH』という作品に通底しているテーマのひとつなのかもしれないなと思います。みんなが持っている哲学と言うか。

――「傷」ではなく「スカー」と表現されているのもいいですね。
キタニ:純粋に「傷」という曲名では味気ないし、やっぱり「あの日の少年キタニタツヤ」を喜ばせる曲にしたいというイメージがあって。そうなった時に、「スカー」という曲名のほうが、くすぐられるものがあるんじゃないかなと。

――キタニさんの中にある、”中二病”をいかに刺激するか、みたいな。
キタニ:まさにそうです。想像力をかき立てるものじゃないといけないと思ったし、言葉としての響きもいいと思ったし。

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